第201話 天誅の為の準備! (4)

「まあ、そうだよね。陛下は前科持ちだから」と。


 ルイスがケラケラとわらいつつ、わたくしへと告げてくるから。


「そうですよ」


 わたくしは拗ねた声音でルイスへと言葉を返せば。


わたくしの他界した母やミネバは知らない。気が付かずにいたのでしょうけれど。陛下は、あの御歳でも、一日何回でもいけるタイプ……。最終的には、陛下の精力にわたくしが敵わず。そのまま寝落ちをしてしまうことの方が多々あるぐらい。陛下の精力の強さは、際だっていますから」と。


 わたくしが、にへらと笑いながらルイスへと告げると。


「姫様、お疲れさまです」と。


 ルイスはペコリ! と、わたくしへと頭を下げつつ苦笑いを浮かべながら。


 わたくしのことを揶揄するように労ってくれた。


 だからわたくしは、「もう、ルイスは」と、「本当にルイスは、意地悪ですね」と、更に自身の頬を膨らませば。


「じゃ、閣下は。陛下に白紙の書状を手渡して、印を押してもらうつもりですか?」


 今までわたくしとルイスのやりとりを、コントを見るように、見ながら。


「はぁ~」と大きな嘆息を漏らしていたルインなのだが。


 そろそろ本題の続きをしようと仕切り直してきたので。


 わたくしもルイスも真剣な顔へと変化させ、ルインの方へと視線を向け。


 わたくしはルインの問いかけに対して。


「ええ、そうですね。そのつもりです」と言葉を返し。


「まあ、一応陛下には、わたくし達夫婦を侮る者達がいるので。わたくしが陛下の代わりに、その者達へと天誅を加えますから。陛下は御心配なきようとは、告げるつもりでいます」と。


 わたくしがルインへと告げれば。


「そうですか」と、彼女から言葉が返るので。


「ええ」と言葉を漏らす。



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