第192話 天誅(7)

 だって張りつけ、串刺しにされた、自分達以外の男と母交わっている訳ですから。


 小さな二人は苦しみ、泣いた──!


 それが自分達を、姉妹を生かすべく手段なのだろう? 多分? と。


 二人は思いながら泣く……。


 そして泣き続けた。


 だからルインは感情が薄くなってしまった。


 だって彼女いわく、自身の感情を無くし、悩まなければ、別に苦しいことではない。


 まあ、その辺は やはりわたくしとルイがよく似ているようで。


 わたくしは以前にもお話しましたが、城の庭園で虫とりをしている最中に。


 自身の母が陛下以外の男性と浮気……。


 魅惑的に交わる姿や。


 あのクソ男!


 いやらしい男!


 庭師のイモールが、母の優艶な姿や様子を歓喜、堪能しながら見詰め。


 あの男は、いやしくも、自慰行為をしながら喜んでいる様子も。


 わたくしは幼い頃に何度も見ては、気持ち悪くなり、嘔吐したことも記憶にありますから。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る