第186話 天誅(1)

「閣下?」


「何ですか、ルイン?」


「そろそろ、楽しいお話しは辞めて、本題に入りましょう?」


 今の、今まで、乙女の会話? に花を咲かせていたわたくし達ですが。ルインが照れ恥ずかしくて、真っ赤に染めていた顔を、いつのような雪色の冷たい表情、肌の色へと変え、本題……。


 そう、ミネバとロワール伯爵へとどんな罰……。


 そう、二人揃って、陛下が御先祖さまから譲り受けた国──。


 その所領から出た税で、日々の生活を営んでいるにも関わらず。


 わたくしの大事な陛下──。


 夫を蔑ろにして不倫!


 もしかすると?


 子供までも、授かっているかも知れぬ二人に対して、どのような罰──!


 そう、天誅を与えるか? の相談に話しを戻そうと。


 ルインがわたくしとルイスに告げてきた。


 だからわたくしはルインへと「そうですね」と答え。


「じゃ、本題に入りましょうか?」と呟けば。


「姫様?」


 ルイスが直ぐに手を挙げたので。


「何ですか、ルイス?」と尋ねると。


「姫様、先程もうちが言った通りで、ロワール伯爵はうちが攫ってくるよ」と告げてきた。


「そして、拷問にかけて吐かせようよ。姫殿下と姉ちゃんが見た女の子は自分の本当の子なのか、どうなのかを伯爵に吐かせようよ。姫様が嫌ならうちが拷問するから。ねぇ、いいでしょう?」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る