第165話 男の行動(10)

 それでも国王よりも、庭師の男の方を好いているのでしょう?


 陛下は、こちらがリードしないと単調なところがありますから。


 庭師のイモールは、陛下よりも野獣で激しいから、好みなのかも知れませんね? と。


 わたくしが思えば。


 ルイスがイモールの、ミネバの自分へのお礼を聞き。


「いいえ、いいえ」と、首を振り。


「自分は閣下に当たり前の事を述べた迄です」


 イモールがミネバに首を振りつつ臣下? 彼氏? 夫? として当たり前のことだと告げると。


 ミネバの顔色は大変によくなり、嬉しそう。


 彼女の声のトーンも少し上がった感じで。


「そうですか、イモール、ありがとう」


 あの気位高い人が庭師に対して二度もお礼を不機嫌、ではなく。


 今度はとても嬉しそうに申したらしいです。


 だからわたくしはふざけるな、あの二人は!


 わたくしの大事な陛下を蔑ろにしおって、今から直ぐに二人を捕らえて、拷問にかけてやろうか、と。


 わたくしが荒々しく、恐ろしいことを思えば。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る