第164話 男の行動(9)

 イモールはミネバに説明をすれば。


 ミネバは、「そうですか」と、安堵した表情をして。


「イモール、ありがとう。わらわの身を案じてくれて」と。


 自身の身を案じてくれた庭師の男へと、あの気位が大変に高い女性が、ホッ! としながら、素直にお礼を告げたらしい。


 だからルイスは可笑しいと思った、ではなく。


 彼女は笑えたらしい。


 だってわたくし達が立てた予想が、これで当たったと言うことになる。


 だってあの人、ミネバは、もう既に夫婦生活が遠のいている。


 わたくしの陛下が仮にミネバへと、労いの言葉をかけても不愉快な顔をするか?


 怪訝表情をしながら、自分自身は何処も悪いところはないと。


 わたくしの陛下に悪態をつき、去ること、間違い無いはずですから。


 やはり、わたくしの思った通りで、ミネバは陛下に養われ、贅沢三昧の日々を暮らしているはずなのに。

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