第166話 男の行動(11)

「……姫様、どうしたの?」


 ルイスが不思議そうな、顔をしながら尋ねてくるから。


 わたくしは、ハッ! と、我に返り。


「何でもありません」と、自身の首を振れば。


「ふぅ~ん、そうなんだ?」


 やはりルイスは、悩んだ顔をしながらわたくしに尋ねるほど。


 今のわたくしの顔の表情は、動揺を隠せない顔をしているのでしょう。


 だから「ルイス!」と、姉のルインがわたくしの二人への怒り──!


 そう、臣下の身であり、陛下に養っている立場の分際で。


 わたくしの大事な、夫を蔑ろ、嘲笑っている二人に対して怒りをあらわにしていることを。


 妹のルイスよりも、昔からよく気が利く、ルインですから悟ってくれて。


 わたくしに何度も尋ねるな! と。


 ルインはルイスへと尋ねてくれる。


 でもルイスは、幼い頃からこんな感じで、場の空気を読めないところがありますから。


 わたくしも「ふっ、ふふふ」と笑いつつ。




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