第121話 恋話(4)

「それはよかったですね、ロベリア」


「あっ、はい。お姉様のお蔭とあの秘伝のお蔭です」と。


 ロベリアはわたくしへと告げれば。


「今は御方様の方が、わたくし無しでは、いられない様子へと変貌していますから。わたくしは本当に嬉しくて」と。


 ロベリアは、自身の頬へと両手を当てつつ感無量……。


 自分は本当に幸せなのだと、わたくしへと説明をすれば。


「お姉様本当にありがとうございました。わたくしはお姉様のお蔭で、本当に好きな殿方と幸せな結婚生活を送れそうです」と。


 ロベリアは、自身の本当の母とは違い。


 本当に心から愛している人……。


 自身が幼い頃より慕っていた白馬の王子さまと幸せな結婚ライフが送れると。


 義母であるわたくしへとあの子は歓喜しつつお礼を告げてきた。


 そんなロベリアの幸せそうな顔を見れば、この子の母親──。


 ミネバさんは、どう思うのだろうか? と。


 わたくしはふと思ってしまった。

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