第118話 恋話(1)

「ロベリア、レオンとの婚姻の準備の方は、順調ですか?」


 わたくしはこちらへと、駆け足でくるな、危ないから、ゆるりとくるようにと告げたのに。


 慌てて、こちらへと。


 そう、あの子は、「はぁ、はぁ」と荒い息遣いで、わたくしの許へと駆けってきたから。


「お、お姉様のお蔭で、じゅ、順調です……」と。


 ロベリアは途切れ途切れの言葉で、わたくしへと告げてくるから。


「ロベリア様も、お茶の方をどうですか?」


 アンがロベリアへと微笑みつつ告げると。


「はい……。アン、わたくしもお願いします」と。


 ロベリアはアンへと言葉を返せば。


 わたくしの前に座り、どっと疲れた様子……。


 気だるげな様子をするから。


 わたくしがクスクスと微笑みながら。


「ロベリア、ドレスを着衣し、踵の高いパンプスを履いた状態で走るから疲れるのですよ」と諫める。


「そうですね……。お姉様の言われる通りです……」


 ロベリアはテーブルを枕に、『あっ、ははは』と苦笑いを浮かべつつ、わたくしへと言葉を返してくるほど。


 姉であり。義母でもあるわたくしへと、レオンの件から。


 わたくしを慕い、懐いていますから。


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