第117話 来客(6)

 だって陛下!


 そう、あのひとは! 


 ああ見えても色を好む、精力旺盛な男性ですから。


 陛下の妃であるわたくしとしては、あのひとには、もう浮気をされるのは本当に御免ですから。


 ロベリアはさっさと他家に嫁に出した方がいいと思うので。


 わたくしと陛下、ロべリアの三人は利害関係が一致……。


「あっ、ははは」


「ほっ、ははは」


「ふっ、ふふふ」と。


『お主も悪よ、の~』と。


 わたくしも策を弄して。


 ロベリアにはレオンの許へと、さっさと嫁にだして、陛下の浮気癖を取り除きたい、わたくしですから。


 ロベリアとレオンの婚姻の方をとにかく早く進めたいと思っている。


 またわたくしがレオンに対して従兄、幼馴染、友人とぐらいしか好意がないことも。


 今のあの子!


 ロベリア自身も悟っているから。


 ロベリア自身は本当に、以前とは違い、わたくしに対して大変に愛想がよく。


「御姉様~! 御姉様~!」と。


 あの子は可愛く、わたくしのことを慕いながら近寄ってくるぐらいだから。


 わたくしは、あの子が今一番尋ねて欲しいことを。


 わたくしは姉としてではなく。


 あの子の義母として問いかけてあげるのですよ。


 こんな感じでね。



 ◇◇◇


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