第116話 来客(5)

 だからわたくしの他界した彼氏の一人だったウルソーは。


 わたくしの精霊付きの能力を真近くで見て。


 おじさまは恐れ慄きながら、自身の顔色を変えつつ。


 自分の本当の主の許へと逃げる。


 そんな彼の背をルインとルイスに追尾させると。


 わたくしの母の元カレさまは、真っ青な顔をしながら、ドン宰相の部屋へと飛び込み。


 彼に事件の内容を一部始終を説明……。


 ウルソーは、わたくしが本当に魔王で、恐ろしい女だから。


 自分はもうこれ以上関わりたくない。


 わたくし達家族の件から手を引かせてくれと。


 ウルソーは震え慄きながら、ドン宰相へと告げていたらしいのですが、と。


 だからわたくしは可笑しくて仕方がなかったと。


 あの事件の後のことをわたくしが簡易的に説明をしたところで、話しを元に戻しますが。


 わたくしは陛下が、ロベリアが自身の娘でないと完全にわかり絶縁状をだすのを恐れています。


 だってわたくしの方へと嬉しそうに向かってくるあの子……。


 そう、美しいロベリアのことを陛下は、自分の側室へと迎える可能性だってある訳ですからね。

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