第115話 来客(4)

 あの節操のないひとは、陛下以外の者の子をお腹に宿っていたのではないか? とも。


 わたくしは考えているのと。


 わたくしの母が陛下を裏切るように差し向けた、と言う、言い方は可笑しいかも知れませんが。


 母の警護の近衛隊長を選んでいたのは、何を隠そう、ドン宰相だとわたくしは陛下から聞き。


 ドン宰相が、女性が好むような容姿端麗な優男を隊長に選んでは。


 その者達に対して母が恋多き女性になるように接触をするよう下知をだし。


 仕向けたのは、ドン宰相だとわたくしは睨んでいる。


 自身の娘……。


 そう、陛下以外の男性と不倫ばかりを続ける。


 男癖の悪いわたくしの母を女王座から失脚させ。


 自身の娘……。


 ロべリアの母を陛下に嫁がせるための、邪な策を弄したのではないか? と。


 わたくしは考えている。


 だから数日前の事件──。


 そう、このわたくしを無謀にも殺そうと企てた、何処かの殺し屋さんですが。


 わたくしはドン宰相への宣戦布告と復讐も込め。


 わたくしの精霊付きの能力の力の見せしめになってもらいました。

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