第114話 来客(3)

 このわたくしはロベリア……。


 そう、今こちらへと向かってくるまだ若くて麗しい、つぼみの皇女殿下……。


 あの子の母は、何だかんだと言っても、この国一の美女と謳われた女性ひとですから。


 あのひとの面影もあり。


 あのひとの若い頃よりも美しい姫だと世に謳われている皇女殿下ですから、ロベリアのあの美しい容姿は。


 だからあの子がもしも? 陛下の子ではなく、あのひとが浮気……。


 いや、陛下いわく、ロベリアの母の妊娠と出産の周期が可笑しい。


 だからロベリアの母、陛下の許へときた時には既に種付け、妊娠をしていることがわかっている上で。


 ドン宰相が自身の娘を嫁にだしたのではないか? と。


 陛下は考えているのですよ。


 ドン最初が、この国を陛下に代わって乗っ取るための布石ではないか? と。


 わたくしも陛下の意見を聞き、冗談ではなく。


 あの男! ドン宰相ならばあり得ることだと思った。


 だってわたくしの母の病死──。


 急に病気を患い体調不良を訴えたと思うと。


 母は直ぐに他界をしましたからね。


 彼女は誰かに毒殺をされたのではないか? と。


 わたくし考えています。


 だって病弱な女王閣下が、陛下の目を盗んでは、浮気ばかりを繰り返すと言うことはないと。


 わたくしは考えているのと。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る