第99話 私の数少ない友人(1)

(う~ん、さてさて、陛下も政務にでかけられたようだから)と。


 わたくしは、自身の脳裏で呟けば。


「アン?」、


「アン~!?」と。


 わたくしは部屋の中で作業をしているメイド達へと指示をだしている。


 わたくしお付きのメイド長であるアンへと声をかける。


「閣下どうか、されたのですか?」


 アンは自身の、家臣の者達の様子を見るのをやめ、振り向きながらわたくしへと声を返してきた。


 だからわたくしはアンへと。


「今日も、お腹の子の運動も兼ねて、城内を散歩にいこうと思うのですが?」


 わたくしはアンへとニコリと微笑みながら告げると。


「そうですか、閣下……」、


「では閣下。もう少しだけ、お待ちください。作業の方は至急に終わらせますから」と。


 アンがわたくしへと声を返してくれた。


 それを聞き、わたくしは。


「アン、そんなに慌てなくてもいいですよ。作業の方はゆっくりとしてください」と告げる。


「いいえ、いいえ。そう言う訳には行きません。至急終わらせますから。閣下は少々お待ちください」と。


 アンは告げてくれるのだが。

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