第42話 妹(2)

 だからわたくしは、ドン宰相の計略にかかり、まだ幼いわたくしは夫義母に、夫を奪われ失態も犯してしまいました。


 そして、幼い子供のわたくしに子供などできる訳はないですから。


 義母は陛下の子を懐妊してロベリアを産んだのですが。


 あの子は幼い頃から陛下と義母に花よ、蝶よと。


 まさにこの国の皇女殿下として育てられたお姫さまですから。


 次の女王陛下は姉のわたくしではなく、自分だと思っているようで。


 幼い頃から、姉のわたくしのことを……。


 そう、こんなみすぼらしい幽閉棟の一室で、あのひとに小鳥のように囲われ暮らす。


 姉のわたくしのことをあの子は侮り、蔑み、嘲笑う。


 そして中傷批判を言いふらして回ったりもしていました。


 義母と祖父のドン宰相と一緒になって……。


 特に妹、ロべリアの中傷が酷くなってきたのは、あの子が年頃……。


 異性に対して興味を持ち始めた頃……。


 そう、今回の舞踏会で、ロべリアが陛下へと訳の解らない言葉……。


 わたくし自身が全く身に覚えのないこと。


 そう、わたくしが元許嫁で婚約者のレオンと夫の目を盗み、逢引きを繰り返しては、優艶に交わっていると言った話しを遠回しにあのひと……。


 陛下へと告げたらしい。


 でも、わたくしは夫に自身の身は潔白であると説明……。


 その後夫に愛してもらう最中に、あのひとへとはっきりと説明をしました。


「あなた~?」


「何だ、ソフィア~?」


 わたくしの肢体を貪り、愛撫するのが忙しい夫は、そちらが忙しくて。


 余りわたくしの話しを聞いている風ではないけれど。


 わたくしは自身のレオンへの想いをちゃんと説明をするために、優艶に濡れた艶やかな唇を開く、淡い吐息と掠れ声……。


「あん、あん、あぁ~」と。


 わたくしは夫の身体を力強く抱き締めながら、嬌声も漏らしつつ。


 夫に甘え、戯れ、交わりながら台詞の続きを告げていく。



 ◇◇◇


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る