第27話 嫉妬(8)

 ロベリアは最後には、嫉妬に狂った女性の顔をしながら、薄ら笑いを浮かべつつ、レオンに尋ねたらしい。


 だからその場にいる三人の顔色は、一気に急変──。


 あのひとは、許嫁の解消と婚約破棄まで強引にさせて、わたくしをレオンから手に入れ、自分の物にしたと思っていたのに。


 実はレオンとわたくしが、あのひとに悟られないように陰に隠れながら逢引きを繰り返していると、思い込んだみたいだから。


 レオンに対して嫉妬と憎悪を募らせ、わたくしへは怒りを募らせる。


 でッ、義母はと言うと?


 自身の父であるドン宰相と、この国を乗っ取り、自身が女王陛下へとなると言った野心が彼女にはあるので。


 幼い頃からわたくしのことをさんざん迫害、蔑ろにしてきた。


 だからわたくしがレオンの御父上である、あのひとの弟……。


 叔父の公爵閣下を頼っているのではないか? と思い。


 あのひとと、もう既に不仲である自身の身に危険が……。


 そう、わたくしがあのひとと、叔父さまに、義母とドン宰相の更迭を依頼するのではないかと思い込み。


 義母は、自身の顔色を変え始め。


(今陛下の寵愛を一心に受けているソフィアが、レオンとも深い仲になるようなことになれば。妾が女王になるどころか。次の王、女王に妾が産んだロベリアがなる事も不可能になり。ソフィアが女王か? あの娘が産んだ子が王か、女王になってしまう可能性がある。だからこのままでは本当に不味い。何か良い策を考えなければ)と。


 彼女は苦々しい顔をしながら思えば。


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