第25話 嫉妬(6)

「レオンお兄様?」


「……ん? 何かな、ロベリア皇女殿下?」


「今日は珍しく舞踏会にお父さまとお母さまが、参加されているのですよ」


 ロベリアはレオンに今回の舞踏会は珍しく、娘のために国王夫妻が参加しているのだと。


 彼に不機嫌極まりない様子でいるあのひとに、非礼にならないようにと。


 遠回しに挨拶をするようにと促すのだよ。


 だからレオンは「そのようだね、ロベリア殿下。ありがとう」と。


 あの娘にお礼を告げると。


 彼は足早に、あのひとと義母の許へと向かい、膝をついて。


「ご無沙汰しております、国王陛下、女王閣下。御機嫌麗しゅう御座います」と。


 彼が丁寧に挨拶をすれば。


「おお、レオン、久し振りだな」と。


 参加したくもない舞踏会へと、ロベリアに強引に誘われ、嫌々参加をしていた、不機嫌極まりない様子でいたあのひとも。


 流石に自身の甥っ子の目の前で、嫌な顔等する訳にはいかないから。


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