第24話 嫉妬(5)

「あら、レオンお兄様、お久しぶりですね」


「あっ! ロベリア皇女殿下。御久し振りですね。本当に大きくなられました」と。


「ロベリア皇女殿下、綺麗になられましたな」


 知人達と話しをしていたレオンに、わたくしの妹、ロベリアが話しかけると。


 レオンは、あの娘の白馬の王子さまらしく。


 自身の歯を輝かせながら優しく、温かい笑みを浮かべながら。


 あの娘の容姿を褒め称えた。


 だからロベリアは、自身の顔色をピンクに染めながら下を向きつつ、照れ恥ずかしそうに。


 そしてモジモジと手悪さ、落ち着きない様子で。


「レオンお兄様、ありがとうございます」と。


 あの娘は皇女殿下らしく、ツンとした様子をレオンに見せながらも。


 年頃の娘らしく、レオンに褒められ、嬉しそうにお礼を告げ、終えると。


 ロベリアの目的は、自身の白馬の王子さまと慕う、レオンに。


 年頃となった自分の麗しい容姿を魅せて褒め称えてもらうのが、あの娘の目的ではなく。


 元許嫁、婚約者であったわたくしとレオンの仲を完全に切り裂くのが目的であり。


 そのために開催した舞踏会……。


 それも最後まで、参加することをよしとしない、国王陛下あのひとを、強引に参加をさせていた意味がなくなるから。


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