第13話 幽閉(2)

 だってわたくしは、あの人にとっては、もう家族、娘ではなく。


 只母の面影を残すだけの女としか、未だに見てはくれませんから。


 幼いわたくしの、涙を流しながらの問いかけを聞いても。


 あの人は返答すら返さずに無視だけではない。


 あの人は、実の娘であるはずのわたくしのことを相変わらず憎悪のある目で睨みながら。


「ああ、煩い! 黙れ! この化け物がぁっ!」と。


 あの時のあの人は、わたくしへと怒声を吐き、悪態をつけば。


「この娘の甲高い声が、私の耳に触るからぁっ! 早く棟へと連れて行けぇっ! 今直ぐにだぁっ! お前達ー!」と。


 あの人は、わたくしのお願いを聞き入れることもなく、兵達へと荒々しい口調で下知──。


 だから兵達数名は、わたくしが彼らに。


「いやぁ~、離してぇ~。離してください~! わたくしの身体に触れないでください~!」、


わたくしは、この国の皇女であり! 次の女王ですよ! 今直ぐわたくしの腕を離しなさい! 無礼なぁっ!」と。


 わたくしは自身の腕を掴み、強引に引っ張る兵達へと罵声を吐いた。


 今直ぐわたくしの腕を離すようにと。


 でもあの人に下知をくだされている、兵達だから。


 皇女としての地位も失い、一族から追い出され、只の娘になったわたくし命令など。


 兵士達は聞く訳はないから。


「煩い!」


「只の娘の癖に生意気!」


「王はお前の顔等見たくはない。気持ち悪い、病気持ちの娘だから。早く連れて行けと言ってらっしゃるのだ!」


「だから早く来い! 娘!」


「早くしろ!」


「早く、来い!」と。


 自身の両足を使用して、床で踏ん張り──!


 部屋を中々出ない、わたくしに対して兵達は。


 最初は腕だけを強引に引っ張るだけだったのですが。


 先ほどわたくしが説明をした通りで抵抗──暴れ、抗うから。


 お母さま譲りの、わたくしの美しい髪を鷲掴みにして引っ張り、始めだすのと。


 わたくしが着衣をしている煌びやかなドレスの首元や端等を強引に引っ張るから。


 わたくしの着衣をしているドレスはビリビリに破れ。


 わたくしは裸同然の容姿……。


 そう、まるで性奴隷のように強引に幽閉棟へと連行されました。


 ケラケラ、ニタニタと笑う、ドン宰相や。


 わたくしの悲惨な様子を指さしながら高笑いをおこなう、義母や妹の目の前を、嗚咽を漏らしながら。


 わたくしは惨めな姿で幽閉棟へと連行──。


 その後は、陽の当たらない部屋……。


 そう、この部屋で一人寂しく、暮らしています。


 まあ、今のわたくしの容姿を凝視すればわかる通りで。


 あれからわたくしは、舌を噛み、死ぬこともできずに数年以上も生きながらえているのでした。



 ◇◇◇


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