第8話 王の再婚後(1)

 お父さまと義母になるフローレンスとの盛大な挙式が終わり、ほんの数か月も経てば。


 義母のお腹にいるわたくしの妹ロベリアが生誕……。


 お父さまも含め、義母やドン宰相……。


 そして彼の息のかかっている貴族達は歓喜──!


 だから国中を挙げての祝宴! お祭り騒ぎです!


 この国には、もう既にわたくしと言った、王位継承権一位……。


 次世代の女王陛下がいるにも関わらず。


 次の女王陛下でも生誕したかのように。


「フローレンス、でかしたぞ。良く頑張った」と。


「この子は、お前の幼い頃に良く似ているから大変に美しい姫になるだろう……」とか。


「陛下も、そう思いませんか? 私の娘が産んだ姫が?」と。


 嬉しそうにお父さまへと尋ねるから。


「ああ、ドン宰相の言われる通りだ。この子はフローレンスに良く似ているから。将来は大変に美しい姫になるだろう」と。


「フローレンス、良く頑張ったな。余は嬉しいぞ」と。


 お父さまも、ドン宰相に続いて妹の生誕を歓喜!


 義母お母さまに対して労いの言葉をかける優しさを魅せていたみたい?


 まあ、わたくし自身は、生まれたばかりの妹を見せてはもらえなかったので。


 よくはわかりませんが。


 城内で働くメイド達の話しだと。


 ドン宰相は、自身の孫となるロベリアの生誕を心から、お父さまや義母お母さま達と祝ったみたい。


 だからわたくしのお父さまも、第二の人生を新たな一族、家族で歩み始めだすのだが。


 その頃からですかね?


 お父さまは少しずつわたくしのことを遠ざけ始めだした気がします。


 先ずは妹ロベリアの生誕……。


 わたくし自身も長年一人っ子で、寂しく育ちましたから。


 自身に実の妹が出来た! 産まれた! と聞き。


 わたくし自身も歓喜!


 万歳三唱をするぐらい喜んだのですが。


 わたくしはお父さまの娘であり、ロベリアの実の姉なのに会わせてもらえることも叶わず。


 わたくしは蚊帳の外……。


 そう、お父さまや義母お母さま、ドン宰相……。


 そして妹ロベリアと、あの子と血が繋がる者達の一族、家族構成から、血の繋がりのないわたくしは除外……。


 まあ、外されたみたいです。


 だってわたくしがロベリアの顔を見たのは。


 あの子がちゃんと、自身の意志で会話、両足で歩行ができるようになってですから。


 それも完全に上から目線……。


 その頃には、わたくしの王位継承権も無くなっていましたから。


 まあ、仕方のないことですがと、愚痴を漏らしたところで。


 わたくしは、話しを元に戻しますが。



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