第4話 学園青春モノと思いきや名前も知らないクラスメートと駆け落ち

10歳になった俺は、今日から学校に通うことになった。

「ルーク、忘れ物はないか?」

「大丈〜夫!」

「そうか。では、気をつけて行くんだよ」

「行ってきま〜す!」

(遂にこの時が来たぜ!)

こうして、俺の学生生活が始まった。

学園に到着した俺は、入学式の会場へと向かった。

(ついに来たぜ! この瞬間が!)

(それにしても、流石はこの国の最高峰の教育機関だな……。めちゃくちゃデカいし、設備も充実してるみたいだしな!)

(さて、そろそろ始まる時間かな?)

そう思って前を見ると、ちょうど司会者が話し始めたところだった。

(おっ!始まったな! とりあえず静かに聞いておくか)

そして、話は進んでいった。

「新入生代表挨拶。1年A組、アリス・ローウェル」

「はい!」

すると、壇上に一人の少女が現れた。

「私は、この度このような栄えある学校に入学できることを誇りに思います。また、私達のためにご尽力いただいた全ての方々に感謝申し上げたいと思います。誠にありがとうございます。」

「それでは、新入生代表の言葉を終わります」

パチパチと拍手が起こった。

(うわぁ〜! スゲ〜美人だな〜!しかも頭も良いのか! これは絶対に負けられない戦いになりそうだぜ……!)

こうして、波乱に満ちた学生生活が始まった。

1週間後、授業が始まった。

「よし!頑張るか!」

こうして、俺の本格的な冒険者人生が始まった。

「おい、見ろよ。あいつ、まだ初級魔法しか使えないらしいぜ」

「マジで? ダッサwww」

教室に入ると、早速嫌味を言われた。

「おはよう!」

だが、俺は気にせず元気良く挨拶をした。

「チッ……」

だが、返事はなかった。

「おはよう!」

「……」

その後も何度か声をかけた。だが、結局誰も返してくれなかった。

「はぁ……」

ため息をつくしかなかった。

(やっぱり、こうなる運命なのか……)

だが、俺は諦めずに話しかけ続けた。

それからしばらくすると、

「ねぇ、あなた」

後ろから突然、声をかけられた。

「はい。何でしょうか?」

振り返ると、そこには一人の美少女がいた。

「どうしてそんなに一生懸命、みんなに話しかけているの?」

「えっと……」

「正直言って、迷惑なんじゃないかしら?」

その言葉を聞いた途端、胸の奥から熱いものが込み上げてきた。

「うるさい!黙れ!お前に俺の気持ちなんか分かるはずがない!」

俺は思わず叫んでしまった。

「あら、図星だったかしら?」

「違う!俺はただ、友達を作りたいだけなんだ!」

「ふぅん。じゃあ、私があなたの初めてのお友だちになってあげる」

「は?」

「だから、私の初めてをもらってちょうだい」

「何を言っているんだ?」

「つまり、付き合って欲しいということよ」

「なんでそうなる!?」

「だって、あなたみたいな面白い人は初めて見たもの。それに、顔も結構好みかも……」

「ちょっ!待ってくれ!」

「待たないわ。もう我慢できない!」

「誰か助けてくれぇえ!!」

こうして、俺の日常は非日常的な日々へと変わっていくのであった……。

翌日、俺は早速彼女に呼び出されていた。「遅いわよ!待ち合わせの時間には十分間に合っているはずだけど?」

「いやいや、普通に遅刻だろ!」

「いいじゃない。別に減るものでもないでしょう?」

「そういう問題じゃなくて……」

「細かいことはどうでもいいから早く行きましょう」

「はぁ……わかったよ……」

こうして、俺たちは街へ出かけることになった。

「それで、どこに行こうとしてるんだ?」

「そうね……まずは、服を見に行きたいわ」

「了解。じゃあ、案内するからついて来い」

「わかったわ」

こうして、俺達は洋服屋へ向かった。

「ここが俺のオススメの店だよ」

「なかなか良い雰囲気のところね」

「だろう?」

「じゃあ、中に入るか」

「そうね」

店内に入った俺達は、それぞれ自分の気に入った服を着ることにした。

「どう?」

彼女が試着室から出て来た。

「おおっ!似合ってるじゃないか!」

「そう?嬉しい!」

「次は俺の番だな」

俺も着替えて外に出た。

「どうかな?」

「うん。とても素敵よ」

「ありがと」

「さて、そろそろいいか?」

「そうね。次へ行きましょっか!」

こうして、俺達のデート(?)はまだ始まったばかりだ。

買い物を終えた俺達が向かった先は、図書館だった。

「意外だな……。本とか好きなのか?」

「ええ。読書はとても好きよ」

「そうなのか。ちなみにどんなジャンルを読むんだ?」

「恋愛小説が好きよ」

「なんだよ。俺と同じじゃん」

「そうなの? なら、今度一緒に読み合いでもしましょうか」

「ああ、そうだな」

こうして、楽しい時間は過ぎていった。

帰り道の途中、彼女はこんなことを言った。

「ねえ、ルーク君って、どうしてこの学園に来たのかしら?」

「それは……その……」

「言いたくないのならば、言わなくても構わないわ」

「いや、話すよ」

「実は……俺は冒険者になりたかったんだ」

「そうなの?」

「ああ。だけど、親の反対にあってさ」

「確かに、あの人たちが反対するのは無理もないかもしれないわね」

「俺はどうしてもなりたくて、家出までしたんだけど……」

「それでもダメだったというわけね」

「その通りです……」

「なら、私と一緒に学園を抜け出さない?」

「えっ?」

(どういうことだ……)

「私はね、本当はこの学校に通いたくなかったの。私は自由に生きたかったのに……」

「だから、私はあなたと二人でどこか遠くに逃げようと思うの」

「そんなことできるのか?」

「ええ。少し準備が必要だけれど、大丈夫よ」

「本当に俺なんかでいいのか?」

「ええ。あなたと一緒が良いの」

「分かった。よろしく頼む」

こうして、俺達の冒険は始まった。

数日後、ついに決行日になった。

「いよいよね」

「そうだな」

「じゃあ、行くぞ!」

「ええ!」

こうして、俺達は逃げ出した。

追手が来た時は大変だったが、なんとか逃げ切ることに成功した。

「ここまでくれば、もう安心ね」

「そうだな」

「これからどうしようか?」

「とりあえず、お金を稼ぐ方法を考えないと……」

「それなら、冒険者になればいいんじゃないかしら?」

「確かに……それが一番現実的な手段かもな」

「じゃあ、決まりね!」

こうして、俺たちは冒険者として生きていくことになった。

「さて、これからどうするか……」

「そういえば、まだお互いの名前も知らなかったわね」

「そう言われてみれば……」

「じゃあ、自己紹介しましょ!」

「わかったよ」

「俺の名前はルーク・アルターだ」

「私はアリスよ。改めて、これからよろしくね!」

「こちらこそ!」

(こうして、俺の新たな人生が始まった)


次回へ続く

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AIに筋トレの小説を書かせたらゴブリンを倒しに行った @toshimasakun1

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