第2話 いっぱい呼ぼうぜ雑魚どもを!レベル1でも頼るしかねぇ!
『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』
「これは一体?」
俺は困惑していた。
「では、この世界を救ってください」
聖女メイファはそう言うと、俺の身体は光に包まれた。
◆
「ここは?」
目を覚ますと、草原の中にいた。
「うわ」
当たりを見渡すと、モンスターがウロウロしている。
スライムやゴブリンが動物に襲い掛かっている。
遠くの方ではドラゴンが飛んでいる。
RPGみたいに、最初は弱い敵ばかりの場所からスタートする訳じゃないらしい。
「やっべえな。早く街に行かねぇと」
見たところ、俺は布の服に、木の棒といった装備。
これじゃ、ゴブリン相手にもやられる。
「ちょっと確認して見るか」
俺は虚空を凝視した。
レベル:1
職業:召喚士
名前:ソウマ
種族:人間
年齢:16歳
体力:10(最大10)
精神力:50(最大50)
攻撃力:10
素早さ:20
スキル:『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』
やっぱ、ありがちなステータスを見ることが出来た。
しっかり聖女メイファから頂いたスキルはある。
「ゴゲゲゲ!」
「わ!」
俺に気付いたゴブリンが向かって来る。
「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」
俺は咄嗟にスキルを発動させた。
空から光が降り注ぐ。
そして、人が現れた。
「おお……これが転生ってやつか?」
現れたのは俺と同じくらいの年齢の男だ。
「あんたは?」
俺を見て問い掛ける。
「俺はあんたを召喚した者だ」
「おお、俺は猫を助けようとしてトラックに跳ねられて死んだ。そして、これは転生なのか?」
なんか、こいつちょっと嬉しそうだ。
転生したかったとしたらラノベの読み過ぎだ。
レベル:1
職業:戦士
名前:ギリト
種族:人間
年齢:16歳
体力:10(最大10)
精神力:1(最大1)
攻撃力:10
素早さ:20
スキル:なし
おお、こいつのステータスはものの見事に雑魚!
「ぎゃあ!」
ギリトはあっさりゴブリンに殺された。
せっかく転生したのにごめん。
「くっ、いっぱい呼ばなきゃ俺がやられる」
「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」
「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」
「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」
「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」
俺は沢山の冒険者を呼んだ。
「ここは?どこだ?」
「まさか、あれか?転生?」
「スライムだった?」
「いや、人間だ!」
「よし、ハーレム展開を目指すぜ」
こうして集まった10人はものの見事に皆雑魚。
つまりレベル1。
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