第2話 いっぱい呼ぼうぜ雑魚どもを!レベル1でも頼るしかねぇ!

『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』


「これは一体?」


俺は困惑していた。


「では、この世界を救ってください」


聖女メイファはそう言うと、俺の身体は光に包まれた。



「ここは?」


目を覚ますと、草原の中にいた。


「うわ」


当たりを見渡すと、モンスターがウロウロしている。


スライムやゴブリンが動物に襲い掛かっている。

遠くの方ではドラゴンが飛んでいる。

RPGみたいに、最初は弱い敵ばかりの場所からスタートする訳じゃないらしい。


「やっべえな。早く街に行かねぇと」


見たところ、俺は布の服に、木の棒といった装備。

これじゃ、ゴブリン相手にもやられる。


「ちょっと確認して見るか」


俺は虚空を凝視した。


レベル:1

職業:召喚士

名前:ソウマ

種族:人間

年齢:16歳

体力:10(最大10)

精神力:50(最大50)

攻撃力:10

素早さ:20

スキル:『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』


やっぱ、ありがちなステータスを見ることが出来た。

しっかり聖女メイファから頂いたスキルはある。


「ゴゲゲゲ!」


「わ!」


俺に気付いたゴブリンが向かって来る。


「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」


俺は咄嗟にスキルを発動させた。


空から光が降り注ぐ。

そして、人が現れた。


「おお……これが転生ってやつか?」


現れたのは俺と同じくらいの年齢の男だ。


「あんたは?」


俺を見て問い掛ける。


「俺はあんたを召喚した者だ」


「おお、俺は猫を助けようとしてトラックに跳ねられて死んだ。そして、これは転生なのか?」


なんか、こいつちょっと嬉しそうだ。

転生したかったとしたらラノベの読み過ぎだ。


レベル:1

職業:戦士

名前:ギリト

種族:人間

年齢:16歳

体力:10(最大10)

精神力:1(最大1)

攻撃力:10

素早さ:20

スキル:なし


おお、こいつのステータスはものの見事に雑魚!


「ぎゃあ!」


ギリトはあっさりゴブリンに殺された。


せっかく転生したのにごめん。


「くっ、いっぱい呼ばなきゃ俺がやられる」

「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」

「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」

「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」

「『レベル1の冒険者を召喚できるスキル』!」


俺は沢山の冒険者を呼んだ。


「ここは?どこだ?」

「まさか、あれか?転生?」

「スライムだった?」

「いや、人間だ!」

「よし、ハーレム展開を目指すぜ」


こうして集まった10人はものの見事に皆雑魚。

つまりレベル1。

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