第18話 宣言

 尻に難を抱えている。えのきがひょっこり出てくるくらいならまだいいが、万年の切れ痔が祟り近年は肛門に薔薇が咲いている。十年前は蕾程度だったが、完全に開花したと宣言していいだろう(すな)。

 過敏性腸症候群が治り、快便の日々を送っていた。しかし最近きのこの摂取を疎かにしていた所為か、とにかく……硬い! 

「諦めません、出すまでは」と強い信念でトイレに篭る日々。それが良くなかったらしい。ある日多量の薔薇の花びらが便器に散り、真っ赤に染まっていた(まじでホラーだった)。

 行かなければ、行かなければと数年前から思っていた肛門科。でも怖い。診せに行ってそのまま取られてしまう時もあるらしい。怖いー。仕事休めないー。家のことできなくなるのも困るー。と散々駄々をこね、心の準備ができぬまま数か月。

 昨日。意を決して、ついにその門を叩いた。

 結果、薔薇は摘まれなかったし、摘まなくてもいいらしい。尻に薔薇があっても痛まなければ特に問題ないとのこと。薔薇の花びらが散った要因は結局、諦めが悪い所為で切れた内側の問題だった。

「出なければ諦めてください。二、三分以上便器に座らないでね」と優しく諭された。サー、イエッサー!

 三家ヲ臀は今後も自信を持って薔薇を咲かせて生きていきます。



【以下、BLの生々しい表現があるので苦手な方はback!】



 私は今とても清々しい気持ちだ。もうなにも怖くない、人間やればなんでもできる。お尻に異物を挿入されるという経験は、BLでは通常運転ではあるが他ではあまりないと言っていいだろう。その経験を見事耐え抜いた。達成感がすごい。

 神琴(みこと)。私は君の気持ちを少し分かった気がするよ(神琴とは私が小説家になろうで書いていた「中 −あたり−」というBL小説の主人公(受け)であります)。神琴に限らず、全世界の受け様方がはじめての時、後ろを準備する(される)時に出る「う゛っ……」みたいな声って本当に出るんだ! と感激。あの異物感に耐え抜き、快感に変えてしまう君達は本当に逸材だ。痛いしかないし俺の尻に何すんねんという感情しか沸かなかった私はまだまだ未熟者だ。今後漫画や小説を読む際、初夜シーンに余計感激してしまう気がする。尊みが増す気がする。「う゛っ……!」とか「ふぅーっ……!」とか色気もくそもない声が先に出てしまうのは仕方のないことすぎる。逆にはじめから気持ちよさげな声出している受け様は、「君、もしやはじめてではないのでは……?」と勘ぐってしまうかもしれない。まぁそこはご都合ご都合!

 肛門科に行ったことで大分いろんな自信がついた。躊躇していたBLにおけるプレイも、内視鏡でお尻の中を直接見たことにより、今後はがんがん書けると思う。晴れ晴れ。爽快。

 ありがとう肛門科。ありがとう全世界のボーイズたちのラブ……!




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