第13話 ミニマル
ミニマリストを目指して三千里。未だ減ることのない物、物、物。この前も関節照明やら花瓶やらをいくつか買ってしまった……。
ことの発端はインスタ。ありがち中のありがち。整然としたクローゼット、物がない床、物の「住所」が決められている空間。それに憧れ始めた瞬間から私はミニマリスト予備軍(仮)です。
元々服好きで……まず前提として、服好きということは靴好きで小物好きなんですよ。一個でいいやろ、と突っ込みたくなる似たような鞄、大小様々な財布。いつ履くの? って感じのゴツイブーツやペラッペラのサンダル。さらにはオタクなので勿論アニメのグッズや漫画本も溢れかえっております。お、溺れる〜……
とりあえずなんでもいいから減らしていきましょ、ということで、よれよれの下着や靴下などから処分しました。一箇所スッキリすると気分が良くなって、どんどん捨てたくなってきます。そんな調子で服、靴、小物は減らせるだけ減らしました。半分以上減らした。現在服は脳内で管理できる程度の量(四十くらい)。ということで自分の服や小物類はまぁまぁ減らせたのですが、減ると欲しくなるよねぇ……(本末転倒)。夏はほぼ買わずに乗り切ったのですが、冬服がね……大好物なんですよ。大好物なゆえに、ネットで買っては失敗、買っては失敗、の繰り返し。値札付いたまま売ったの結構あったな……(涙)。つい最近スラックスもネットで買って失敗。当たり前のことですが試着超大事!!!
昨日も、◯ニクロで欲しかったニットが期間限定で安くなってたので、試着に猛る。が、しかし。思っていた以上に似合わないし、喉元が苦しい……! 五年前は赤、結構似合ってたんだけどな……とべそをかきながらお戻し。お子のヒートテックだけ購入。
◯ニクロからイ◯ンの靴屋へ移動。お気に入りで五年ほど履き続けていた靴がついに崩壊したのだ。靴底かべろりと剥がれた。これはさすがに新調せねばと勇んだが、いい出会いがなくとぼとぼ店を出る。ス◯バでしばし休憩後、服屋に洒落たスニーカーないかな、と思いふらりと入店。
そこで出会ってしまったのです……。最強のニットに……! しかも三割引!
ネイビーとグレーを試着。形良すぎ〜! 生地の肉感好きすぎ〜! うーん決められない! しかしミニマリスト(仮)なるもの、イロチ買いは御法度……いや、お気に入りを三つくらい買って毎日着ている人もいる、全然アリやろ!!
ということで買ってしまいました。後悔はしていない(しかし靴は買ってない)。こんな服装がしたいな〜と夢想していたドンピシャのスタイルだった。試着室の鏡に映る自分が都会の人に見えた(幻覚かもしれないが)。そんなわけで二つ増えたワードローブ、一つ増えたら一つ減らすが鉄則なので、売る予定だったものも含めて思い切って六つ減らします。あと靴も二足。早よ売れろー……!
服を減らす極意は、タンスの肥やしになっていた服の匂いを嗅ぐことです(究極すぎ)。不思議なんですが、なんで服ってしまい込んでるとオヤジの臭いになるんでしょう。しっかり洗って保管していたはずなのに。クサすぎて、もう一度着る気が失せて清々しく処分できます。うちにはオヤジは(まだ)居ないはずなんですがね。あ、ちっさいおじさんは住んでいます。姿は見せませんがたまに陽気な足音がしたり、食べた覚えのない食材が減ったりしています。これらは「ちいさいおじさんがひっそり同居している」ということで家族全員納得しています(冷静に考えるとなぜ納得できているのか)。でもそんなちっさいおじさんでは放出できないほどのオヤジ臭がしまい込んでいた服から香りました。洗っても取れない。捨・て・る!
ミニマリストの話から結局ミニマルなおじさんの話になってしまいました。
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