第5話 洗濯物

 不安定な気候が続いてますね。誰になんと言われようと盲信していたiPhoneの天気予報が、贔屓目に見ても全然当たらない季節です。

 晴れ予報でも雨、曇り予報でも雨、雨予報でも雨……なんか毎日雨降ってる気がする。

 家事が嫌いなので、掃除機以外はほとんど家電にお任せしている。早く掃除機も家電にお任せしたいんですがね!(圧)

 天候が不安定でも、予報が外れても、ドラム式洗濯機のおかげで助かっている。干す手間が嫌、というのはもちろんだが、とにかく家のベランダが汚い。町内の煤? 砂埃? を、すべて引き取っているかのように黒ずんでいる。掃除したい。でも面倒くさい。その繰り返しで三年ほど経つ。今年こそは年末の大掃除にかこつけて(そもそも大掃除なんてしたことはないが)、掃除してやりたい。

 ベランダにきちんと並んでいる洗濯物を見ると、ああこちらのご家庭はベランダが綺麗なんだな、隅々までよく手入れされているご家庭なんだなと思う。お向かいさんがそうだ。毎日赤子の肌着やアン◯ンマンのバスタオル、純白のワイシャツなどが整然と並んでいる。

 よく晴れた、風の香りに秋の訪れを感じた朝のことだった。出がけにまた気持ちよく並ぶ洗濯物が視界に入った。青空にはためくミッ◯ィーのブランケットに心が温まり、暑くも寒くもない気温も相まって朝から良い気分だ。お陰様で数日分の食材の買い出しへも上機嫌に出かけられた。

 しかし事件は起こった。大量の食材を両手にぶら下げてスーパーを出ると、雨が降っていた。私は大概雨女なので雨に打たれ慣れているが、お向かいさんの洗濯物は無事なのだろうか……!?

 どうか、どうか無事であってくれ……!そう内心で強く願いながら帰宅すると、願い虚しく洗濯物は曇天の下重たく湿っていた。カーポートに車がなかったので、どうやらお向かいさんもどこかへ出かけたようだった。

 まったくけしからん。朝には「雨なんて降るわけがないじゃないか〜」顏で清々と晴れ渡っていたのに、こんな短時間で気分を変えやがるとは……! 本当に、女心と秋の空とはよく言ったもんだな!(怒)

 憤然としながらも、まさか勝手にお向かいさんの洗濯物を取り込むわけには行かないので、しおしおと自宅に入った。ごめん、ごめんよ。気づいていながら何もできない私を許しておくれ、と、ミッ◯ィーへ視線を送りながら。

 その日から三日間ぐらい、同じことは続いた。くぅ、無念……!


 備考:この記事を書き始めて一週間くらい経った。ようやくiPhoneの天気予報が当たり始めてほっとしている。ていうか早く公開しろ……!


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