第2話 腐らない蜜柑
私は昔から読書が好きだったわけではなく、読書がこんなに楽しいことだと気付いたのはいい年した大人になってからです。BL小説を読み始め、活字に少々慣れた今では色んなジャンルの本を読むようになりました。そこで気付いたのは、私は「いっちょ食い」であるということ。
同じ作者さんの本を、出ているだけ読み、次の作者さんの本をまた、出ているだけ読み……そして読み終えるとまた……の繰り返し。きっと図書館司書さんは「まぁたこの人、いっちょ食いしてるよ」なんて思っているかもしれません。いっちょ食い、「読書あるある」ですか? ないないですか?
そしてもう一つの私あるある。
BL小説を手に取っている訳ではないのですが、後に知るとその作者さんはお仲間であり、別名でBL作品を書いていたりする。なんですかね、引き寄せられているのかもしれません。BLを書いていなくても、その方のエッセイを読んだりするとお仲間であることがわかったり。「お! 貴女様もでございますか!」と嬉しくなって表紙にハイタッチなんてしてしまう。我々は「腐」女子という名称(?)で親しまれ(?)ておりますが、実はつやっつやの果実であり、瑞々しい香りを漂わせてはお仲間を呼び寄せているのです。「腐」というよりむしろ「富」といいますか、尊い富に溢れた女子なのであります。「この腐った蜜柑が!」という罵倒を昭和のドラマで聞いたことがあるでしょうが、我々「富」女子は腐らない蜜柑。そう、腐らない蜜柑なのであります!
失礼、取り乱しました。
我々のお仲間の大半は、「ひっそり」としていることと思います。あまり大声で公表するようなことでもありませんしね。世の中にはそれが苦手だと思われる方もいらっしゃいますし。しかしそんな中で、例えば職場の後輩の女の子のちょっとした言動や持ち物から「おや……? もしかして……?」と思うことがあると、途端に気になっちゃいませんか? 少しづつ会話の中から探ってみたり、ほとんど確信に近い物を得られた日には帰り道スキップしちゃいませんか?
解釈違いとか、左右固定とかで揉めることもなきにしもあらずですが、私は貴女様がお仲間であるという事実がとにかく嬉しいです。きっとまたすぐに新しい仲間に出会えるでしょう。私は鼻がいいので!
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