残酷なまでの仕打ちを受けた主人公、その先に待つのは……。

異世界ものでは定番となっている(よくSNSの宣伝でも出てくる)追放モノを現代でやったら? それを書いたのが今作だ。

主人公はデビュー直前にバンドのメンバーからクビを宣告され、追放されることに。そして主人公は一人むなしく弾き語りをすることになるが、そこで元バンドの追っかけなどをはじめとしたSクラスの美女たちと付き合うことになった。
その一方で、バンドのメンバーは東京に向かうも、次から次へと厳しい現実に直面し、主人公をバンドから追放した男はギャンブルに狂い、追放した男についてきた女は……。

長所としては異世界モノではテンプレートの一つとなっている追放モノを現代モノとしてアレンジして、デビューの話が舞い込んだバンドメンバーとの諍いによる話にしているところだが、それが今作の短所ともなっている。
主人公の元彼女は主人公を追放した男を見限って再デビューを考えているが、近況ノートでは彼女を地獄に叩き落とせというコメントがあった。
正直、自分は見ていやな気持を抱いた。
できれば彼女だけはどうか花を咲かせてほしい。
打算だけで行動する間男とは違って、しっかりしたビジョンを持っているのだから。
まぁ、ギャンブルに身を投じて借金を作って破滅に至るヤツは……、自業自得としか言いようがない。打算だけで行動した結果としか言いようがないだろう。同情もしないし、「ざまぁみろ」なんて言える義理にもない。ひょっとしたら、我々も甘いささやきにからめとられて身の破滅を招く可能性があるのだから。

主人公は再起するなり、もしくは普通に勉強して平凡に生きることをためらわないでほしい。国立大学に通っていて、Sランク美女に囲まれているならば、いくらでも道は開けるさ。

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