第12話 大技
その光景に思わず声が漏れる。
一体だけとはいえA級を自由に出せる能力、流石はS級だ。
「本格的にS級の中でも上位存在ということが分かったな。」
「やばいねあれは。波の質量が大きすぎて魔法防御じゃ砕かれる。」
そんなことを話していると辺り全体に波が発生した。
続けて飛んでくる波の壁に全員が分断される。
即座に逃げようとした6人であったが、ギルが逃げ遅れた。
魔力が使えなくなる波に捉えられ断罪の斧が迫る。
「クッソったれぇぇぇぇ」
叫ぶギルを見て仲間も反応した。
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必死に技を放ち意識を変えようとするが、多少のダメージは覚悟しているのだろうか、気にもせずに斧が振るわれる。。
ギルが目を瞑り、叫びながら死を待っている間、斧がギルに届く僅かな時間で援軍が届いた。
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上から雷と錯覚するほどのエネルギーと光を持った物体が落下してくる。
それは正確に海王の腕の骨にぶつかり、破壊した。
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間一髪、反射的にスキルを発動し、逃げ帰ることができた。
上を見上げるとそこには行きの馬車で領主が戦争を始めるのではないかと言っていたB級冒険者が弓を握りしめてこちらを見ていた。
俺が下に穴を作った場所まで全員が来ていたのだ!
それを皮切りに色々な攻撃が降って来る。
これ以上ないタイミングでの援護射撃であろう。
海王がそれから身を守ろうとしている間に俺たちは急いで休息を取る。
魔力が十分に回復したのを確認してからまた全員が攻撃を始めた。
今度はイシェルとガウルがひきつけている間にさらなる大技を全員が使うという手で行く。
生半可な技では倒せないことが分かったので、文字通り最大攻撃だ。
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ガウルが鱗の雨からみんなを守っている間に有無無造が湧き出てくる。
だが、イシェルが出てくるそばから潰していっているので大丈夫そうだ。
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冷気をまとった
渦は壁を壊そうと、壁は壊されまいと、
時に形を変えながら攻防が始まった。
魔法によってガウルの支援をしながらイシェルも準備を始める
鮫の魔法をいなしながら、辺りの魔力を吸引する。
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そして、一気に魔力を解き放った。
自身が取り込んだ魔力を2倍にする技により一気に空間内の魔力濃度が膨れ上がる。
何度かそれを繰り返す。
魔力は溢れたそばから他の面々が使っていくので極端に濃くなることはない。
ガウルもこれにより波を抑えることに成功した。
一人も敵が減らないことに痺れを切らしたのだろう、海王が一気に攻勢に出た。
腰に掛けていた魔杖を取り出し、背後に魔法陣を出現させる。
波の文様を浮かべ、水でできた柱を形成する。
柱がぐるぐると回り始め魔力が集結する。
ガウルは波の処理で手一杯でイシェルも魔力を使い果たし誰も防ぐことができない。
途中で技の発動を止めるすべを持たない他の4人はなすすべなく立ち尽くしていた。
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消して逃さぬよう巣から鎖が生成され閉じ込める。
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そして、海が墜ちた。
幽霊船の上空から、三又鉾の形をした水の塊が落下する。
急いでB級冒険者が回避する中、それはすべてを突き破って船底の階に到着する。
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瞬時にギルが全員を周囲に飛ばす。
それと同時に全員の準備が完了しいつでも撃てるようになった。
直撃は免れたものの溢れ出た水により船底には簡易的な海ができていた。
また、鮫に乗る海王の手には三又鉾が見える。
船底の階層が壊れ、全体を支えるものが水の柱へ置き換わっていく。
海王が武器を振るうと渦が巻きおこり、竜巻が発生する。
空を飛びながら回避はするものの防戦一方だ。
「準備は?」
「大丈夫だ。」
最終的に相手に強化の時間を与えさせてしまったがこちらも準備は完了した。
あとは当てるだけなのだが……っと。
避けた場所を致死量のエネルギーを持った水流が通りぬけていく。
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