497話 天才とは。(500話連載記念話です。)
『100人の人が思いついたとしても行動するのは、その内のたった1人。』
『そして、行動できた人が100人集まったとしても行動し続けられるのは、その内のたった1人。』
なので、やり続けられるのは1万人に1人だけ。
天才は1万人に1人とも言われています。
宇垣昌弘は優れた直感を持っていた人間でした。
でも、直感の言う事を聞いて多くの得をしたにも関わらず、ある大儲けできるチャンスを逃してしまいました。
当時持っていた全財産を投資しただけでも数千倍になって返ってきただろうに、、、
でも、それほどの大儲けの大チャンスは中々来ませんが、やらなかった、その大失敗を教訓にして宇垣昌弘は着実に利益を上げて、努力もそれなりにしてきました。
1万人に1人ではありませんが、1000人に1人くらいにはなれたかもしれません。
有名な宇垣さんのどちらとも血縁があるかどうか微妙な家柄なのですが、
父親も母親も家柄には誇りを持っており、『宇垣の姓に恥じない生き方をしろ』と言っていました。
特に母親は父親が、その県内では大きな会社の社長をしていたのにアメリカのせいで会社や関連企業が大規模な連鎖倒産をする羽目になり、県で一番の進学校に通っていたので、やがては東京の六大学のどれかに通う気でした。
ですが、一転して親戚の会社で事務員をする事になり、仕送りされるどころか、親からも仕送りしてと言われるような立場になり、苦労したので息子に期待をする母親になります。
母親は『県で一番の進学校に通う地元では有名な企業の社長令嬢』から、
『父親の会社が倒産して高卒で、安月給で働く羽目になった上、2人の妹や末の弟の学費の為にも仕送りをしてと親に言われる長女』
になってしまったのです。
まるで没落貴族令嬢ですね。
(期待された弟さんも大変です。
それなりに歴史と伝統がある家系の立て直しは弟さんの存亡にかかっている。なんて言われるのですから。)
(なので母親は息子の昌弘の知っている限り、一度も小、中、高校の同窓会に行ってませんし、同級生や友人とも連絡を取り合っている雰囲気がありません。東京の六大学には合格を期待できるくらいの成績だったそうですから、特に高校の同窓会には行きたくないのでしょう。
そういえば、母親に気を遣って父親も同窓会には一度も参加してない様子でした。母親と付き合う前には行っているかもしれませんが。)
宇垣昌弘が勇者召喚された時は両親は存命だったのですが、その後はどうなったのやら。
生まれ育った元の世界はどうなったのか不明です。
その宇垣昌弘ですが、ファーストジョブが戦闘職ではない錬金術師なので2軍〜2.5軍扱いで王宮からの支援は何もなくて最初は食べるのが精一杯でした。
1軍は魔王を倒す為に手厚く支援されますが、2軍と思われたら小遣い銭を渡されて城下に放り出されるのが、昌弘のされた時の勇者召喚でした。
ちなみに冒険者ギルドは1ヶ月くらいは無料で個室に泊まらせてくれます。
食事も無料で食べれます。
最低限の武器と防具も支給はされます。
のでマシな方でしょう。
ちなみに普通の人間は防御戦闘では城や砦は魔物の発散する魔力に対する対策がされているので力になれますが、魔王の軍勢は強い魔力を発しているので攻め込む時は力になれません。
騎士や兵士や冒険者でもレベルの高い人間なら強くて高い濃度の魔力を周りに出している魔物と戦えます。
レベルが低いと魔力に酔ってしまい、戦うのが難しいとか。
ちなみに勇者召喚で召喚された人間は
魔力に対する耐性が多少はあります。
魔王軍は何十万もいるらしいです。
そうして努力していた昌弘ですが、
石盾と石のメイスを持たせたストーンゴーレム6体を指揮してスライムダンジョンをクリアした時が宇垣昌弘の転機
になりました。
ビッグスライム(1mほどのスライム)を討伐すると魔石が手に入りダンジョンをクリアした証拠になります。
で、ダンジョンにはルールがあり、『ダンジョンの1つの階層に長くいると強い魔物が現れて襲われる。』
『ダンジョンボスの部屋に長くいるとボス以外の強い魔物に襲われる。』
『ダンジョンは頑丈だが、鉱石の採掘場所以外を破壊し過ぎると強い魔物に襲われる。』
というダンジョンルールを聞いた昌弘はなんとなく、何かを直感で思いつきました。
宇垣昌弘はダンジョンクリア後にダンジョンコアを探したのですがダンジョンコアは見つかりませんでした。
そしてチェックするつもりで、
ビッグスライムを倒さずにストーンゴーレムで押さえつけてダンジョンコアを探したのですが、見つかりませんでした。
ボス部屋の壁を壊してもダメでした。
床を壊しても出て来ません。
ちょっと意地になって泊まりこんで
強い魔物を倒しつつ探し回りました。
ダンジョンコアは難易度の高いダンジョンのクリア報酬として、極稀に出てくる事があると言われています。
(と言い伝えられています。)
報酬が少なく、スライムは酸で武器を溶かす為スライムダンジョンは嫌われている不人気ダンジョンです。
なので宇垣昌弘は思いっきり、色々な事を試す事ができました。
ス①からス⑥の手抜きな名前のゴーレム達もパワレベする事ができました。
(愛着が出てきたのでストン①〜⑥と改名しました。)
本当にこのダンジョンにはダンジョンコアが無いのだろうか?と昌弘は疑問を持っていました。
かなり苦労してボス部屋の硬い床を5m掘ってもダメでしたし、天井や壁を掘ってもダメでした。
昌弘は考え続けました。
ちなみに休み無しに続けて100回ボスをクリアして、クリアしたボスのコアを100個出してクリアしたボス部屋に並べるとダンジョンを消去するかどうかの選択ができるらしく、その時に消去を選択するとダンジョンを消す事ができるらしいです。
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