477話 そういえばアメリカは

そういえばアメリカは史実とは大きく違っていました。


原油不足に石炭不足でした。

特にテキサス州やオクラホマ州では

オイルラッシュと言われた好景気は

終わったと言われていました。


カリフォルニア州でも、産油量は減っています。

そこに石炭の採掘量の低下も重なり、

株の暴落前の失業率が高かったのです。


史実のアメリカは未来に懸念材料は何も無かったのですが、

このアメリカはエネルギー不足や、

史実の1.5倍以上の各地でのデモやストライキなど、懸念材料がありました。

(まぁ、史実でもデモやストライキは懸念材料でしたが。)


『豊かな満州に黒人を移住させて自作農民として育てよう。(黒人をチャイナに捨てよう。)』なんて事を言い出す動きも出ていました。


禁酒法は有名無実のような物と言いつつも、シカゴはアル・カポネに支配されてカポネは大儲けしていますし、


酒場で酒を売るだけでこんなに儲かるのか?とゴーレム達が驚くほど、グレーゾーンの商売は儲かります。


コイツら悪党の次の副業が色々なサギ商売だったと言うわけですね。


「別に金利は隠していないし、ギリギリ騙してはいない。

金利の計算もろくにせずに農業機械を買う農夫のバカさが悪い。」

と奴らは言うかもしれません。が、

断っているのに何度も通ってセールスしにくる上、高額な利息で高価な農業用機械を買わせるのは問題あると言いたくなりますねえ。


しかも街の近くには農業機械メーカーの代理店が無いので、何か壊れたらかなり遠くの街までトラックで運ぶ事になるでしょうしねえ。


まぁ、サービス体制が優秀な事で知られたフォードやGMの代理店すら無い田舎の町なのだから、そりゃあ無いか。


家電のゼネラルエレクトリック社も

代理店が無いもんなぁ。

この町。


ユタ州の州都まで行けばあるんだけど。



そうして色々と調べていくと、腐敗した資本主義国の酷い面が色々と出て来ました。


借りたくないと言っている農家や商店に無理やりにお金を貸そうと強要してくる押し貸し。

(ここら辺には銀行は1つしかなく、

何かでお金が必要な時に貸してくれるのは銀行だけという弱味が顧客側にあるのをちらちらと言いつつ高い利息のお金を貸そうとしてくる。(銀行マンにもノルマがあり、なんとしてでも借りさせないと首にされるから。)


「株や土地や家屋の資産価値が下がったから追加の担保を入れてくれ」と言って来て、場合によっては全額を奪おうとしてくる貸し剥がし。とか。


そういえば、住宅ローンが一度でも支払いが遅れたりしたら全額を一括で返済してくれと言ってくる銀行ばかりなのは日本もアメリカも同じですねえ。


そういう時に人情味のある判断をする

銀行って日本でも宇垣銀行とか信用金庫だけという、、、

ほんと、他の銀行って容赦ない。



警察や司法やマスコミが目を光らせて見張らないと銀行すら腐るのが資本主義社会なのだ。表に出る被害者の100倍くらい隠れた被害者が居る。


証券会社なんか、顧客を1人くらいは自殺に追い込まないと証券マンとして1人前とは言わないなんて言われている。


証券マンにもノルマがあるから、色々な悪事が行われているようだ。


粗製濫造された、グレーな投資会社が暗躍して人々に株を勧めてまわった事も被害を大きくしている。


いや、どこの資本主義国でもあるグレーな犯罪のすべてがこのアメリカで開発されて、それが全世界に広まったと言っていいだろう。


経済犯罪が、この時代の腐敗したアメリカで大いに開発された。


犯罪スレスレの汚いやり口に騙された善良なアメリカ人が可哀想だ。


だが、全米でも有数の大都市であるシカゴがマフィアのアル・カポネに支配され、議員もマスコミも警察もマフィアのカポネに支配され、莫大な資金がマフィアの手に入り、ありとあらゆる種類の犯罪ビジネスがやられるようになって行く。


信じられないほどに素早い動きでアメリカから大量の資金が租税回避地を経由して欧州に逃げて、そのせいでお金が不足して世界大恐慌が長引いたのも

こういう連中が裏に居たからと言える。

カポネ一家の1929年の収益は6200万ドルだとも言われている。


アル・カポネは、世の中について、

『他人が汗水たらして、稼いだお金を価値のない株に変える、悪徳銀行家は貧しくて盗みをせざるを得ない気の毒な奴より、よっぽど刑務所行きの資格がある。この家業に入るまでは、悪徳政治家などがこんなに多いとは思わなかった。』とも語っている。


この年代の事や銀行や証券会社の汚さの事に触れていると考えると思うものがあるのも確かだ。


マフィアのマネーだけでなく色々なマネーが租税回避地を通って欧州へ逃げました。


農業しか産業の無い農業州にとっても

冬の時代が始まろうとしています。

アメリカの多くの農家が開拓と大量生産を開始した事で、農作物は高いものでも30%の値段に低下していますし、

平均が25%に下がってしまいました。

トラクターの利息や燃料代の事も考えると本当に大赤字です。

宇垣が助けている場所以外は大変なことになろうとしています。

農家も大破産時代です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る