467話 アメリカの農業の街。(1929照和世界アメリカ)

ここはユタ州の小さな町ですが産業と言えば農業くらいしかなく、つい最近までは貧困な町だと町民も自嘲するほどでした。

農作物は大量に取れて余っているため

買い取り価格は下がるばかりで余ってしまい困っていたのです。


ですが今は違っています。

ソルトレイクシティはユタ州の州都ですが2024年でも人口は20万人。

ユタ州はソルトレイクシティ周辺の街に人口の80%が住んでいる、州都とそれ以外に別れている州です。


その人口が少ない小さな町の近くに次々と日本の超大型飛行船が降り立って、ユタ州で買った農作物を運び出しています。


ええ。州都以外の辺境の街の方が密かに豊かになっています。


そして、今まで日本と取り引きをして綿花を売っていた農家の所にも日本の飛行船は降り立って大量に綿花を買い付けています。


特に黒人やインディアン(ネイティブ・アメリカン)メキシコ系アメリカ人農家ら、辺境の農家から優遇して買っているので、州は不景気でも取引のある有色人種比率の多い小さな町は現金の収入を得て活気が生まれています。


ユタ州は北にアイダホとワイオミング、左右はコロラドとネバダ、下側はアリゾナとニューメキシコ州に囲まれています。これら全部の州が現在疲弊している

貧困な中西部の農業州です。


日本の宇垣とビジネスをしている小さな町は有色人種に対する人種差別法を

撤廃し、すっかり仲良くなっています。


末端の農家が助かっているので、

これらの農業州は財政も良くなりつつ

あるのですが、それは隠しています。

州法の人種差別法も撤廃していません。

これらの州にはもう1つの特徴があります。テキサスなどのオイルビジネスで

成功した若者が州知事、副知事、上院議員、下院議員として次々と当選して

世代交代が一気に進んでいます。


もちろんアメリカの農民も知っていますが、宇垣は関税は支払っていません。密輸出です。

37%もの関税なんて馬鹿馬鹿しくて支払う気になりません。

史実のスムート・ホーリー関税法が成立したら57%になるほどですし。



それにしてもアメリカの株価の大暴落は酷いものです。

いや、人口の少ない僻地の町だと

テレビの電波も届きませんし、ラジオも怪しいものです。

なので、あまりアメリカの不景気に気がついていません。


ここら辺の大規模農家は高めの値段で

農作物が完売するようになった為、

ミゼットを数台持つのはあたりまえ。

お金を貯めて宇垣マーク1リムジンすら買う気でいます。

それにジャズやカントリーミュージックのレコードをコレクションしようと思っています。

蓄音機の性能はエジソンのとこよりも

日本の宇垣の方がずっと上だと気がついたのも宇垣マーク1のユーザーの大金持ちの人達と、彼ら辺境で宇垣と取り引きをしている農家でしょう。

通販で注文すれば1ヶ月後には届けてくれるのだから良い時代になったものです。


ここら辺の農家の家電製品はゼネラルエレクトリックではなく、宇垣の製品ばかりです。

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