458話 トロッキー姿を消して逃げる。
さて、史実の1929年の1月31日といえばトロッキーがソビエト連邦から国外追放される年です。
トロッキーといえば1917年のロシア10月革命における指導者の1人であり、
ウラジーミル・レーニンに次ぐ中央委員会の一員だった。
ソビエト赤軍の創設者であり、指揮官で、初期のソ連の外相でもあった。
両親共にユダヤ系だったが元々は裕福ではなく父親が働きに働いて段々と裕福になっていった家である。
1879年にウクライナ南部で生まれた
トロッキーはユダヤ人子弟の入学が制限されている時代にドイツ人学校に運良く入学する事ができた。
親類に出版で成功した人物がいた上、
援助を受けられたおかげである。
だが、国費で学べる有名校に入学したせいでマルクス主義や共産主義に触れてロシア労働者同盟の組織化を行う立場になるのだから皮肉だ。
トロッキーは小冊子を印刷して工員や学生の間に社会主義を広めていった。
(ちなみにトロッキーなどの有力な幹部は昭和世界の方では賞金首であり、
小冊子を配布して社会主義を広めるような人間はゴーレム達に襲撃されて多くが死んでいる。
同盟国のロシア帝国で革命を起こすような連中は許せないからだ。)
こうして色々あってソ連を追放された
トロッキーだが、ソ連の幹部はアースⅡによってチェックされており、
すぐにゴーレム達に保護された。
トロッキーが催眠魔法で眠って目が覚めたら、そこは日本のダンジョンの内部の街の中だった。
トロッキーはこの街で家族と暮らしながらソ連の悪事を告発する映像を派手に作り始める。
トロッキーに告発されて、アメリカではシンクタンクや国務省の共産主義者狩りが行われるようになる。
トロッキーは利用する価値が実に高いと言えるだろう。
各国で密かに暗躍する社会主義者を告発する時はトロッキーが名指しで告発する事をするのだが、元ソ連の外相の
告発の破壊力は抜群だった。
更に、ソ連は農民を農民奴隷から解放したが、すべての土地を強奪して、また農民を農業奴隷に落として使役しているとソ連を非難した。
そして高い日給を支払っているフォード自動車の事を高く評価して、褒め讃えたのである。
そして、『労働者に高い給料を支払っている企業には労働組合は必要ない。』とも発言するようになる。
実に利用価値が高いと言える。
まぁ、日本では社会主義は全然流行らないのだが。
明治天皇陛下を暗殺しようとした誰かさんのおかげである。
社会主義者や朝鮮人の革命家は危険な連中だとレッテルを貼ることができたのは大成功だった。
こうして朝鮮系や中国人やソ連人は特別な許可がなければ日本に観光に来る事もできなくなるのだった。
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