444話 毒矢総攻撃(1929照和)

我々、ガイアでの部下のゴーレムはガイアからようやくマスターの元に帰還する事ができた。


マスターと使い魔の繋がりがブツっと千切れて失われ、ガイア世界の何処にもマスターが居ないと知った時の心細さは何と言えばいいのか、、、

飼い主が大好きなわんこが捨てられたようなものだろう。



超巨大ゴーレムのガイア様というリーダーが居なければ、混乱が続いた事だろう。

この時の反省があるから、今では各世界に超巨大ゴーレムと影武者を分散されているのだ。


さて、異世界ガイアだが、魔物の支配地域はかなり広い。

大勢のゴーレム戦士がいるから人間の国が滅ぼされる事は無くなったが、

マスターが高いレベルになる前は、

魔物の大規模な氾濫のせいで城塞都市や要塞が大きな損害を受ける事が度々あったくらいだった。


魔王が退治されてからは、大規模な魔物の氾濫は無くなり、手間がかかるわりにたいした金にもならないゴブリンやボブゴブリンの氾濫が多く、我々ゴーレムに取っては退屈しのぎの娯楽程度になっていた。


まぁ、多くのゴブリンを射殺せるだけあって魔術スキルと弓術系のスキルは

良く上がる。

スキル上げには良い機会にはなったが。


その弓術スキルを銃が存在する現代で活用する事になるとは思ってもみなかった。


我々は3方向から100名ずつの300名で米軍を包囲していた。

敵は人足なども含めての100名ほどなので3倍以上の戦力での奇襲を掛ける事になる。


そういえばガイア世界でのゴブリンの討伐任務なども我々は大勢で包囲して攻撃する事が多かった。

『大軍に戦略は必要無しと言われる』が敵が想定より多くても何倍もの戦力を用意しておけば戦場で困る事は無い。


念話で『5、4、3、2、1、GO!』

とタイミングを合わせて一斉に30名が毒矢を放つと『敵襲!』と叫んでアメリカ兵が小銃を持ち天幕の中から飛び出してくる。

周囲の見張りすらフィリピン兵や朝鮮人人足にさせてアメリカ兵士は油断していた。

見張りや働いていた連中を射殺して

待ち構える。


こちらは暗闇の中。しかも100mは離れている。

アメリカ兵側は焚き火もしており、くっきりと良く見えている。

暗視能力を持っているこちら側からすると的当てのようなものだ。


そして待ち構えていた120名の放つ毒矢が米兵やフィリピン兵に突き刺さると、敵は壊滅状態だった。

エリアサーチするまでもなく、生き残れたのはほんの数人だとわかる。

生命反応のある、隠れている連中に手榴弾を投げて全員を全滅させると天幕や武器、弾薬、命令書も奪い、矢も回収する。


この近くには中国人の村があるので

洗脳魔法で支配済みの村人を動かせてコイツらを発見させれば残りの食糧や

武器や軍服が奪えて大喜びだろう。


こうして勝利したガイア1番隊の様に他の79の部隊も攻撃に成功して敵の増強小隊80個小隊を全滅させた。


白人兵の今回の損害は2400名ほどの人数だが、これから毒矢は盛んに使われる為敵兵の被害は増えていく。


シルベスタ・スタローンのランボーも弓を効果的に使って戦っていて、爆発する矢尻を使っていたが、我々も爆発する矢を使う様になる。


頻発する夜襲と損害の多さにはアメリカの指揮官も苦悩するようになる。


毒矢が効果的だと知り中国人も真似をして使うようになったからだ。


中国共産党や国民党の軍相手にもこれらの毒矢は使われて、城壁を持つ街を攻めた中国共産党軍が大勢の死者を出して敗走する。なんて事も起きるのだった。

この時期に数百人を超える死者を出して敗北するのは中国共産党にとっても手痛い損害だろう。


しかも勝利したのは国民党軍ではなく、街に住んでいた武術家達や若者の自警団である。


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