445話 日本以外は世界恐慌(1929照和世界)

ダウ平均株価の下りが止まらないアメリカ。

アメリカは欧州への投資した資金を続々と回収し始めています。


ハイパーインフレで悲惨だったドイツ経済にトドメを刺す様な酷い仕打ちです。

更にアメリカは国際標準よりかなり高い関税を更に高くする関税法を制定し更に関税を高くして、恐慌状態の世界経済を更に悪化させてしまいました。


そして更にトドメを刺す様なブロック経済が計画され始めます。


いや、なんでブロック経済を考えるのかわかりませんが。


宇垣昌弘は『こりゃあ酷い。 アメリカ経済がまったく回復せず、世界恐慌になったのがよくわかったわ。』

と嘆くのだった。


まぁ、欧州への投資を引き上げて、金利の高いイギリスに預金する流れは止められないにしても、ブロック経済&

アメリカの高関税法&各国の報復高関税でこのまま史実のようになるのなら世界の貿易は半分に減ってしまうでしょう。


まるで国際協調性の無い各国の政策には唖然としてしまいます。


世界恐慌の時にどうすれば良かったのかはいまだに未来の経済学では研究対象だが、これだけは言えます。

『ブロック経済ダメ。 高関税&報復高関税ダメ。 高過ぎる高金利政策もダメであると。そして積極的な財政出動と公共工事が必要だったでしょう。』

やってる政策を全部やめないと世界恐慌は更に酷くなり世界大恐慌になるでしょう。


そして好景気な向こうの昭和世界と繋がっていて、宇垣財閥がバンバン金を使って経済を支えている大日本帝国だけが不況になっていません。


まぁ、世界を相手に商売している企業もあるのですが、限定された繋がりしかなく、恐慌対策もしていたからこその日本だけ好景気です。


農作物も豊作だし。

『あれ? 意外と恐慌の影響って少ないのか?』と宇垣昌弘は意外に思っていたくらいです。


そりゃあ、日本の財閥には『アメリカの株バブルは弾けて暴落して不況になる恐れあり。』と言って警告はしていたのですが。


宇垣昌弘は不思議に思っているが、

当時の日本では商社や財閥抜きに外国と取引はしていない。

その商社と財閥も宇垣の警告を真摯に受け止めて対策を練っていたのも功を奏していた。


日本の他の財閥の当主達も絶句するほどアメリカの株の暴落は酷かったが。


宇垣ファンドは『アメリカの株の暴落の気配は収まっていない。』と注意喚起していた。


宇垣昌弘は各財閥当主に密かに、

『アメリカの株価は下がるとこまで下がってから買い戻しましょう。』と

呼び掛けていた。


「「「「だが、あんなにアメリカの株価は高かったのに、何故?」」」」

と財閥当主達、、、


『いえ、アメリカの石油不足、電力不足、エネルギー不足は実は深刻です。

特に石油不足の実態が報道されたら更に株価は下落するでしょう。』


あのスタンダード石油系企業すら

減収減益が止まらない状態なのだ。

同族企業に救済合併される動きが出ている。


全然石油が出なくなり、1日あたりの産出量がドラム缶で何個かレベルに下がったので、採取もされずに放置されているリグが増えている。


放置して、溜まっているようなら汲み取るという感じのリグが増えている。


『テキサスのオイルラッシュは完全に終わった』と言われているほどだ。


まぁ、最盛期に比べて60%減産しているんじゃ無理もない。


こうなると国土の広さのマイナスの大きさがクローズアップされてくる。

発電所からの送電ロスもバカにならない。


アメリカ海軍の軍艦の外国への親善航海も半分以下になっている。

日本の帝国海軍は原油で動いているのに、アメリカ大西洋艦隊はほぼ石炭で動いている有り様だ。

もうもうと煙を出して走っている。



実は宇垣昌弘は心配していました。

さすがにアメリカや他国で起きている株の暴落を伝えないわけにはいきません。

日本の株価の下落からのパニック的な暴落、銀行への取り付け騒ぎ、、、

煽りを受けての鈴木商店の倒産なんて

起きたらヤバいと思っていました。


でも、今の日本は精霊達の住み易い環境であり、日本に多く住んでいる精霊達のおかげで、僅かな影響があったくらいで株価は下がらず、平穏でした。


考えてみたら東北の大開拓も大成功。


世界一規模の超巨大ダムの建設も完成し、下流にもダムの建設が始まり、広大な水田が完成しています。


この数年の日本は金持ちのゴーレム達が大勢やって来て暮らし始めたせいか

目に見えて好景気になっていました。

ユダヤ人達の存在も大きいですし。


あの関東大震災が遠い昔に感じられるほどです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る