441話 毒矢 (1929照和・中国)

「ご覧になってください。」

と竹中半兵衛が言うので見たのは、

中華民国周辺を大きく拡大した地図でした。


「これが今日の夜、野営している米英軍勢の小隊単位の部隊も含めた配置図です。」


ずいぶんと小隊を散らばらせているのが見てとれます。


「米英軍ですが掃討作戦を効率よく行う為に部隊を拡散させています。

完全に油断しています。

中国側から攻撃されるとは思っていない様子です。」


中国人はあまり銃を持っておらず、すぐに弾切れになっていました。

ドアを破られ手榴弾を入れられて、

死んでるので、都市部の建物内の掃討作戦では流れ作業のようになっていました。


「中国人ですが、治安が悪い中国なので、護身用の武器を村単位で隠し持つのは当然なようです。

これらの刀剣や槍、弓矢はふんだんに村民は隠し持っています。

矢じりに毒を塗れば効果は抜群でしょう。」


『なるほど。ちょうどいい感じに小隊単位で散らばっている米英軍を一斉に毒矢で叩こうというわけか。名案だな。』


「苦しんで死ぬのですから、仲間は中国人を恨むでしょうね。

できれば1万人くらいの傷病者を出したいと思っています。」


『確か、今の中国人側の損害は15万から20万人の間だったな。』


「はい。上海から南京にかけての地域だけでも相当な数の中国人の死者が出ていますね。」


異世界ガイアで魔物を倒していたガイア組はレベルも高く弓矢のスキル持ちは大勢います。

弓スキルでロックオンされた毒の矢の効果は抜群で、ほとんどが命中し攻撃されて慌てふためく米英や朝鮮、インド、フィリピンの兵士達は苦しみながら死んで小隊は壊滅して行きました。

天幕は頭上から降り注ぐ火矢で燃え上がり、地面に伏せている兵士達にもグサグサと毒矢が刺さりました。


この大損害は米英を驚かせ、

米英国民を激怒させました。


小隊の編成は白人が30名ほど。

フィリピンやインド兵が30名ほどで

残りは人足の朝鮮兵の人足40名ほどの100名ほどの部隊でした。

増強小隊ですかね?


壊滅した部隊の武器や食糧、ありとあらゆる物が奪われて、近くの村人が行ったのか遺体は酷く傷つけられて切り刻まれていました。


この日以降からは毒の矢がいきなり降り注ぐのが普通になり、遠距離から降り注ぐ毒矢を受けて白人兵の死者や負傷者も増えるようになって行きました。


ですが米英軍も報復で周辺の村人を虐殺するようになり、自発的な農民と米英軍との戦争が始まりました。


女、子ども、老人も殺して村を焼いて潰すのが米英にとってあたりまえの作戦行動になり、フィリピン独立派の掃討戦の時のようになっていきました。

フィリピン独立派の虐殺の時は大勢のフィリピン人が虐殺されています。

あたりまえのように男や老人は殺されて女性は酷い目にあわされていました。

フィリピンでは150万人が死んでいます。


朝鮮兵は大勢が雇われて村落の偵察任務をやらされるようになって行きました。

略奪をする絶好のチャンスですので、

朝鮮兵達は積極的に村を襲撃し始めます。

彼らは『出稼ぎ』と言って国を出て略奪し始めます。


まぁ、日本兵が国境を見張っていなければ、普通にしていた事を、また始めただけですが。


米英は戦力を更に増やして中国人を掃討しようとしますが、、、

中国人の側も米英兵を殺さないと殺されるとわかったので積極的に偵察し毒矢で攻撃するようになります。


そうなると米英軍も中国人を敵と認定して報復してくるので殺伐とした殺し合いが始まるのでした。



これまでは長江近辺のいくつかの都市周辺での局地戦でしたが、中部から北部の幅広い地域の村人に戦争が始まったと知らせる効果がありました。


白人の宣教師は元々嫌われていたのですが、これからは白人というだけで殺害される事があるくらい、白人にとって中国は厄介な国になります。


そして、行方不明になっていた欧州&アメリカ&インド&フィリピンの女性が中国の村で発見され、性奴隷にされていた事が判明し、更に各国を激怒させました。


おおよそ8000人の白人兵の毒矢での損害が出た後に発見された事もあり、アメリカとイギリスは3万人ずつ、6万近い人数を派兵すると発表しました。


これらの女性達は南京や上海や周辺地域で行方不明な女性達でしたが、

特に南京が占領された時に行方不明になっていた女性達でした。


遺体が発見されていなかったので、

米英軍は彼女達の行方を探していたのです。

まぁ、性奴隷にするのは米英もやってた事なのですが。


まぁ、韓国のライダイハン事件の例もありますし。

戦場ではありがちです。

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