437話 アメリカの株価大暴落、その時の日本は?
日本でもアメリカの株の大暴落は報道された。
日本でも大暴落するのではと株の売りが殺到して一時的に株は下がったものの、優良な企業の株を手に入れるチャンスだと宇垣ファンドが動いて、下がった株を買った為、日本の株市場では暴落手前で持ち直した。
宇垣がやって来る前の日本はアメリカ向けの生糸の輸出で稼いでいたのだが、今は宇垣が生糸を大量に購入して絹製品に加工してこちらの全世界と向こうの日本を通じて向こう側の全世界に販売している為、生糸の産業には悪影響はまったく無かった。
取引先からは、もっと欲しいと言われて困っていたくらいなので、一息つけたくらいだった。
そして銀行の取り付け騒ぎも起きたが、宇垣も政府も備えており、銀行に大量に紙幣を置いて次々と顧客対応していると顧客も冷静さを取り戻して、
取り付け騒ぎは収まっていった。
ちなみに宇垣は本物そっくりの紙幣も用意できる。
新聞は宇垣の支配下にあるので、
アメリカの大恐慌の影響をまったく受けていないイタリアなどの国の平穏な状態も報道して影響を受ける国と受けない国があると報道して、パニックを煽るような報道はしていない。
それにアメリカでは全体の株価は大暴落はしているものの、フォードやゼネラルモータースのような優良企業は1000万台もの車を販売しており、
底まで下がったら優良企業の株を安く買うチャンスなんて話もあえてしている。
まぁ、アメリカ企業の株なんて日本では買えないからこそ言える事だ。
それに宇垣は買うつもりだし。
もっとも、まだまだ底が見えて居ないが。
更にアメリカの資金は金利の高いイングランド銀行に流れ込んでいると報道して、アメリカから消えた資金はイギリスに移っただけのように報道して、
経済知識の無い人達を恐れさせないようにしていた。
日本の新聞は『一時的にアメリカの株価は投資が加熱して膨れ上がったが、実態経済を伴わない膨らみ方をしていただけで、余剰部分が収縮しているだけ』
とも報道している。
『アメリカの株式投資が加熱し始める前の1924年くらいの時の水準に下がったら安定するだろう。』とも日本の新聞は報道している。
『最近の日本は大油田も発見されたし、資源はほぼ自給自足ができているので心配はない。』とも報道して日本国民を安心させて沈静化をはかっていた。
あらためて思うのだが、それぞれの大新聞が面白おかしく危機を煽るような報道をしていたら日本ももっと混乱していただろう。
取り付け騒ぎも大きくなり、更に新聞が書いてパニックが広がり、大変な事になったかもしれない。
マスコミを支配して統制していると、
こうも社会は安定するのかと驚くほどだ。
日本国内の鉄道関連や高速道路の建設などの公共事業も予算はあるし、そのまま継続される事がすぐに政府から発表されたし、生糸が不足ぎみの為、生糸の買い取り価格も1%アップすると宇垣財閥は発表して、生糸農家を安心させた。
多くの日本国民は『なんだ、アメリカで株が暴落しても日本には関係無いのか。』と思うようになり、対岸の火事だと思うようになる。
実際、ドルのレートは急落しており、
密かに契約しているアメリカ農家から
必要な農作物を手に入れている買い入れている宇垣の仲間にとっては大恐慌はプラスになってるほどだった。
どん底までアメリカの優良企業の株価が下がったら買えば、大儲け間違いなしだし。
まさか、GMやフォードは潰れないだろう。航空機メーカーのボーイングやプラット&ホイットニーなどのエンジンメーカーを買うのもいい。
しかし、、、どん底で買えれば、宇垣が保有するアメリカ企業の時価総額は
100億ドルを軽く超え、200億ドルになりそうなのだが、、、
ここまで膨らむとアメリカ政府に危険視されかれないから投資先に困ってしまうなぁ。
宇垣だって全然損失は無いんだし、
やはりロックフェラーやモルガンも、
総資産の時価総額が減ったくらいで、許容範囲内なんだろうな。
まぁ、中規模の財閥とかはいくつも没落する財閥が出るかもしれないが。
安定してみると、日本の景気は悪くないから、政府の歳出も余力を残しての
様子見状態だもんなぁ。
と宇垣昌弘はのんびりしています。
『いや、アメリカは大変やぞ!!』
『落ち着いている場合か!!』
と作者がツッコミを入れたくなるのでした。
ロックフェラーさんだって、モルガンさんだって保有株式の時価総額が80%も下がりかねないのだから真っ青になりますよ。
総資産だって半分以下になるかもしれないんだから。
日本が大丈夫なのは宇垣昌弘と一緒に
大勢のゴーレムがやってきて人口が増え経済成長ボーナスが掛かっているからです。
失業率が低く、お客さんが居れば地方経済はそれほど下がりません。
売り一色になり株価が下り続けているアメリカ。
セイバーは絶妙なタイミングで売り買いをして小規模ながら儲けていましたが、逆に言えばアメリカの財閥がなけなしのお金を投入して買い支えようとしているのに、利益を得つつ売り浴びせをして暴落させていると言えなくもありません。
セイバーはいくつかのアメリカの証券会社に大きな損害を与えていました。
いや、予知能力の教えてくれたとうりに売り買いしてるだけなのですが。
そして、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、イタリアなど、列強と言われる各国でもゴーレム達は密かに儲けていました。
通貨レートに株に先物取り引き、、、
まぁ、これだけ儲けていれば、宇垣と日本だけは大丈夫でしょう。
数十年は戦えます。
世界で日本だけはいち早く立ち直って好景気です。
世界大恐慌の荒波をスルーして安定している日本から帰ったロックフェラー一族の人達はアメリカの酷い経済状況に絶句して言葉を失うのでした。
世界恐慌の第一波の悪影響をそれほど
受けていないイタリア帰りの人達も同じです。
平穏なイタリアとは大違いのアメリカに驚くイタリア帰りの人達。
足元の傘下の企業からも巨額の負債の
報告が届いてネルソン・ロックフェラーはめまいに襲われるのでした。
ほぼ同時期にモルガン家の中枢にも傘下の企業の巨額の負債の報告が届きました。
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