430話 自動小銃開発(1928照和)
さて、宇垣製の38式騎兵銃を正式採用して、小銃の部品の互換性が得られ、銃弾も『6.5mmx50SR・mark1』弾を手に入れて、列強に並んた照和の日本陸軍ですが、この38式騎兵銃と小口径小銃弾の6.5mmx50SRの組み合わせは、かなり優れた組み合わせでした。
38式歩兵銃は全長1280mmで重さは4Kgでしたが、38式騎兵銃は全長966mmで重さは3.4Kgに軽量化していながら、反動もやや増した程度で、
命中精度もややばらつく程度に抑えており、改良は大成功な小銃です。
小柄な日本人にはもっとも向いている小銃と言っていいでしょう。
なお、西暦1880年代に無煙火薬が開発されて、1882年にはアメリカのウィンチェスター社が半自動小銃を開発していますし、1908年にはスイスのSIG社がメキシコのモンドラゴン将軍のアイデアを開発して、モンドラゴンM1908自動小銃を開発しています。
更にチェコスロバキアで開発された
ZH-29半自動小銃は中華民国が使用して、日本が鹵獲して改良し、試製自動小銃乙型として日本の陸軍に審査に提出されています。
これらの銃のデザインは、半自動に撃てる小銃という感じです。M1カービンよりもボルトアクション小銃に近い感じです。
半自動小銃があると聞いて期待して取り寄せた宇垣昌弘でしたが、見てがっかりしました。
自動拳銃のとこでも話しましたが、
ボルトアクションライフル銃は大量に生産すると自動式拳銃よりも安く製造できます。
コルトM1911のように大量に生産されれば拳銃も単価が安くなりますが、
小銃が安く作れるが故に、新規構造の自動小銃の単価の高さは嫌われて各国は採用に及び腰になるんですよね。
宇垣昌弘だって、ゴーレム達に良い自動小銃を持たせてあげたいから大量に生産するのです。
売りに出すとしたらボルトアクションライフルの3倍以上の値段になってしまうでしょう。
その外見のデザインは史実のドイツの
StG44 (突撃銃)とAKM自動小銃に似ています。
StG44 (突撃銃)は7.92x33mmクルツ弾
を使用していますが、ほぼ同一コンセプトの自動小銃と言っていいでしょう。
トリガー周辺はAKMのようにユニット化されており、砂などのゴミを叩いたり、水で砂汚れを落としてガンオイルをスプレーすればそれで使えるようになる汚れに強いタフな構造になっています。
まぁ、1丁の試作品があればいくらでもコピーして大量に生産できるのが錬金工場(超神級)の良いところ。
普通に使っている分には大丈夫そうです。
そして砂ボコリや泥水に浸かっても洗ってガンオイルをスプレーすれば故障せずに大丈夫な所が良いですね。
とりあえず、宇垣自動小銃と仮の名前を付けて大量に生産して使い始める事にしました。
陸軍には内緒にしています。
なお、ゴーレム達は軽機関銃や重機関銃を収納して持ち運ぶ事ができる為、
普段は自動小銃を装備して持ち歩き、
戦闘の時は軽機や重機を錬金工場から出して撃ちまくります。
せっかく自動小銃を作ったのに、、、
まぁ、普通に撃つ分の有効射程は300mで、ゴーレム化しても500〜600mの有効射程ですからね。
7.92mm×57小銃弾を撃つ軽機の有効射程は狙撃用スコープ付きなら数キロ先を狙えるもんなぁ。
重機も同様の射程の長さだし。
そりゃあ使いたくなるか。
宇垣の自動小銃は近距離から遠距離までを網羅できていて、連射時での反動も少なく、良くできている自動小銃なんですがねえ。
ちなみに史実の日本軍は別に歩兵部隊から不満は出てないのに、重機関銃としては6.5mm銃弾は威力が少ないので、7.7mmクラスの銃弾の使用を考えてほしいと言われて、99式小銃を作り始めます。
だが、威力が必要な重機関銃用の弾薬と小柄な日本兵用の小銃の銃弾を互換させようというのが大きな間違いでした。
先ずは重機関銃を先に作るべきだろうに。要望が出たのは威力不足なんだから。
第一次世界大戦の時に6.5mm口径のイタリアの小銃の銃弾が胴体に命中した
トルコ兵が、2ヶ月もしない内に戦場に復帰したエピソードを聞いた日本が6.5mm銃弾の威力に不安を持ったのがすべての始まりでした。
そのイタリアが6.5mmの銃弾をやめて
7.3mmの銃弾を使い始めるらしいと聞いて不安になったんですね。
でも、ドイツや英国の小銃はまったく日本兵には向いていません。
6.5mm銃弾を改善して威力を上げる方法を考えずに、新型小銃を正式採用しようとするのですから愚かなものです。
史実の99式小銃の開発は大失敗と言えるでしょう。
38式歩兵銃よりも単価も高くなり、部品の互換性も無いなんて最悪です。
軽機と重機は別の銃弾を使うべきでしたね。
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