429話 中華民国の内陸部も戦場だった。
さすがの超巨大ゴーレムも大勢の人が死ねば異変に気がつくのですが、地主の家族が殺されるくらいだと気がつきませんでした。
ですが、中国共産党で農村を解放する
要員ともなると拳銃の1つくらいは持つようになります。
その連中を超巨大ゴーレムがなんとなく調べる気になったのは夜間に移動している上拳銃を持っているからでした。
機械式の暗視装置はありませんが、
暗視強化魔法があれば動物以上に暗視ができるようになります。
そいつらの声が聞こえてきます。
「いいか、1人も逃さずに捕まえるんだ。縛りあげたら地主が可愛がっている孫を痛めつけて脅かして財産の場所を聞き出すからな。
聞き出して財産を見つけたら、女どもは好きにしていい。
それまでは我慢しろよ。」
ステータスを覗くと所属のところに
中国共産党と書いてあります。
こいつらは中国共産党の党員と仲間のようですね。
ちなみに、あまり所属を気にしていない人間(辺境に住んでいる少数民族)の人などは○○族と部族の名前が所属の人もいます。
中華民国への帰属意識なんて無いんでしょうね。
これが日本なら日本への帰属意識を持ってる人ばかりなのですが。
超巨大ゴーレムは森可成直属の森隊のメンバーに召集をかけて呼び寄せます。
今回の参加者は、まだこの世界で銃撃戦の実戦を経験していない隊員です。
それでもダンジョンでの戦闘は経験済みで戦闘訓練経験は豊富で、実戦経験者の戦闘の記憶を追体験済みなので、新兵とは言い難いのですが。
人型ゴーレム達は念話スキル持ちなので意識するだけで会話が可能です。
彼等はターゲットの20人の男達に対して1から20のナンバーを割り振り、
半包囲して銃の照準を合わせます。
(撃て!)と念話で言うと大型サイレンサーと音速を超えない45口径拳銃弾のおかげで「「「「「ポスッ」」」」」と小さい音がしただけで、20人を一瞬で仕留める事ができました。
この先には小さな村があります。
そこが狙う予定だった村なのでしょう。
ゴーレム達は男達の死体を回収して錬金工場に入れて、地下の超巨大ゴーレムの持っている作戦司令室に転移して、反省会を行います。
今回使った銃は試作品の消音ライフルです。
消音能力を高くして、45ACP口径の拳銃弾でありながら150mの有効射程距離を持っています。
セミオートマチックライフルなのですが、スライドをロックさせて充分に消音してからスライドを動かして薬莢を排出して次の銃弾を装填させます。
このスライドを動かしているのは発射した時のガスの圧力ではありません。
銃をゴーレム化させて身体と一体化させて制御しています。
撃ち始めたら自動的に冷却魔法を過熱している部分に使用して冷却し、銃身や機関部を一定の温度に保ちます。
艦船の船体の改善から始まって、航空機の改善をやり始めて、銃の改善をするって、なんか順番が逆のような、、、
まぁ、手頃な実戦訓練用の標的として中国人の共産党員は都合がいい相手です。
気配を消して地中から細い触手を出して索敵するアースⅡは中国人の選別を開始して、ステータスに共産党員と出ている連中を見つけては取り除く事を行い始めます。
それと同時に中華民国の詳しい地図の作成も開始します。
これから中国共産党の支配地区は、
ゴーレム達の新兵の実戦訓練場になるのでした。
共産党支持者でも普通の農民は殺したりしていませんが、それにしても支持者の増え方が凄い勢いです。
まぁ、後で取り上げるとはいえ、『土地は農民の君達の物だ!』と言ってわけ与えているのだから無理もありません。
それに清国の時代も中華民国の時代も
政府は税金を取り立てるだけで何もしてくれないし、軍隊は略奪したり殺害したり、土着の匪賊や山賊よりも酷い連中ばかりだし。
下手すると、この農民達が政府に何かをしてもらった事って、この中国共産党の土地の分配が初めてかもしれませんね。
後で酷く裏切られるんだけど。
なんせ共産主義は土地の私有を許さない制度です。
土地を取り上げられるだけでなく、
娘を奪われたりもしますし、清王朝よりも中華民国よりも中華人民共和国は
酷いのですが。
なんせ、役人になったら、やりたい放題するのがあたりまえなのが中国の常識です。
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