425話 北の屯田兵?
北海道&南樺太は日本の北を護る重要拠点である。
日本政府からすると北海道に日本人の人口が増えて、開拓が進んで農作物や鉱物資源が取れてほしいのも事実。
なので今ではゴーレム達が武装しながら開拓地を全力で広げて、地域事に拠点を作り、ついでに道路も作ったりしている。
ゴーレム達は自分達を屯田兵と呼んでいる。
冬は暖かく夏は涼しい高級省エネマンションに住み、暖房付きの暖かい場所で機械の整備をして、時々は都会へ転移魔法で帰り、交代交代しながらの楽々開拓生活である。
何せ開拓村勤務中は1人につき1日3回の転移魔法が使えるので、宇垣百貨店内の食堂から出前を取ったりしているのだから全然不自由が無い。
北海道の採れたての新鮮な野菜や果物は宇垣百貨店で高めの値段で中間マージンを取られずに売れるのだから、お金もかなり儲かる富農になりそうである。
開拓村にて奴隷のように酷い労働をさせられていた被害者達や騙されてタコ部屋に入れられて酷い目にあった被害者達だが、嫌な思い出しかない上、冬の寒さが厳しい北海道は嫌だからと本州に帰っていった。
なので、住んでるのはゴーレムばかりだし、ゴーレム達がやりたい放題できそうな土地が多くなったのでゴーレム達がハイになって北海道要塞化計画を作成し始めている。
最初の頃は遊び半分で開拓村に守り神のモビルスーツを配備するとか言っていたのだが、北海道のすべての湖に普段は湖底に沈めて隠す要塞島(飛行場と戦艦のような大砲を持っている。)を配置するとか、普段は地中に隠す秘密飛行場型要塞を配備するとか、暴走し始めていた。
いくら宇垣空軍に余裕があるとはいえ、このままではとんでもなく大規模な戦力が北に配備される事になってしまう。
『はいはい。いくらでも転移させて格納庫に航空機は送り込む事ができるんだから、配備するのは戦闘機と戦闘爆撃機を1000機ずつくらいでいいだろ。』
「え〜 つまんないの。5000機くらいを配備しようと思ったのに〜」
『規模的に史実の3倍くらいの飛行場を建設する予定なんだから我慢しなさい。
旭川も函館も大規模飛行場にするんだし。小規模飛行場も増やすんだから。』
そういえば、陸軍も海軍も航空機とパイロットの育成に力を入れている。
こちらの日本は日露戦争で南樺太を手に入れたし、ソ連と国境を接しているからだろうか。
北樺太のソ連兵だが、ゴーレム達が浸透工作を行っている。
多数が洗脳魔法により日本のシンパになっており、ウラジオストクもハバロフスクも日本のシンパが増えている。その気になれば独立工作も可能だろう。
最近のソ連はアメリカに厳しい目を向ける反面で日本に擦り寄ってきている。
これは大勢のモンゴル人をアメリカが満州に受け入れているからだ。
満州のアメリカ陸軍司令官が、『モンゴルの人達もソ連から助け出さなくては!』と言っているのをソ連も察知しているのだ。
もしもモンゴルの広大な土地がアメリカの影響下になるとアメリカとソ連の国境が一気に拡大する事になる。アメリカ陸軍はアメリカとソ連の間にアメリカ側に立っている緩衝地帯を増やすつもりであり、モンゴルもその1つだと思っている。
ソ連としてはモンゴルを足場にしてアジアに南下しようと思っていたらしい。
モンゴルからなら北京は近いし、北京も長安もソ連の物にしようと思っていたのに、モンゴルを足場にされてソ連側の都市を狙われるようになるかもしれないのだからアメリカ側の動きに神経を尖らせて居るのだ。
逆にアメリカ側からすると、シベリア鉄道を爆撃して遮断すればソ連は広大な土地の防衛ができなくなり草刈場にすることも可能だと思っている。
広大で人の居ないシベリアは資源の採掘が期待できるとアメリカは思っている。
宇垣昌弘と同じ事をアメリカは考えているのだった。
なお、朝鮮半島も区分は北になるかもしれませんが、あの半島にはインフラを整備したくないし、小規模な飛行場を作るくらいで充分でしょう。
日本政府も日本企業も朝鮮には投資はしないしインフラも今あるものでいいと思っているので、朝鮮は停滞します。
まぁ、朝鮮はどうでもいいでしょう。
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