423話 北海道大改革。自重はやめた。

奴隷のような小作労働をさせられていた人達はいきなり開拓村にやって来た軍隊にびっくりしていた。


日露戦争の時に従軍した人も中にはいるが、その頃の軍服とは大違いな緑色の軍服だからだ。銃は銃身が短い38式歩兵銃のようだが、、、


少ない持ち物も持ち出し、彼らが乗って来たトラックに乗って開拓村から出て少し移動すると、そこには巨大な飛行船とここには無かった大きなマンションらしき不思議な建物があるので村人は驚いた。

マンションの室内は広くて豪華な部屋ばかりで、兵士さんに中のトイレや台所やお風呂の使い方を教えて貰い、風呂に入ってふかふかのマットレスに横になると、みんな疲れきっていたのか、ぐっすりと眠り始めた。


みな、ボロボロの服を着ているので宇垣が持ってきた服に着替えて眠ってもらった。

これらの服は皮脂がこびりついてゴワゴワしている。

『もう人生を捨てている乞食が着ているような服のような汚れ方だな。』と警官が言った。

(こういう服は繊維の奥にこびりついた皮脂汚れを落とさないと元には戻りません。未来の洗濯洗剤でも下手すると汚れが落ちません。

熱湯で重曹を溶かして漬け置きしておいて皮脂の脂汚れを落として洗濯しなきゃダメでしょうね。

シャツ1枚くらいでもドロドロの汚れが出てくるでしょう。

熱湯で洗えるコインランドリーがあれば使いたくなりますね。

まぁ、捨てた方が早いでしょう。

錬金工場で最利用しますが。


半数の兵はマンションを守るが残りの半数は開拓村を訪れていた。

今、彼らが住んでいるドームマンションを置く場所や整備ドーム、農業ドームを置く場所をテキパキと決めていきます。


マンションや整備&農業ドーム内部は魔力による温風暖房で冬でも暖かいので、ここで稲はポット容器の中で生育され育った状態になり、土魔法で最良の状態にされた田んぼに植えられます。


未来では温室で生育されて育った稲を植えるようになってから北海道でも稲作が上手くいくようになっているからだ。


北海道は稲の生育に必要な期間が短いからだ。まだ稲が実っていない時に寒くなり始めかねないのが北海道です。


この開拓村の土地は小規模に分割され

債権として販売されていました。


買った人間は北海道の開拓村に出資して、毎年毎年、出資した金額に応じて

配当金が貰えます。

これらの出資者は出資金サギに騙され易いサギのカモだとも言えます。

少ないけど振込金は支払われ続けていますから、この会社を信用しています。

他の出資金サギを持ちかけたら、それにもお金を出してくれる事でしょう。


捜査を進めるとヤクザに近い悪質な会社が関わっている事が判明しました。


悪質な会社は小規模債権を販売して現金を手に入れると、後の管理の仕事は下請け会社に割り振って逃げていました。

いかにもやり口がプロの犯罪集団ですね。


北海道の農業なんて水害や冷害で農作物がろくに採れない事もあるから、

開拓村にはもう旨味は残っていません。

それよりも別な開拓村を作って債権を売る方が金になる。


旨みを吸えるだけ吸って、金を手に入れたら、さっさと逃げるのだから厄介

ですね。逃すつもりはありませんが。


日本の全国民を鑑定してでも探し出してやりますよ。


現在、彼らを管理しているのは、ヤクザの下請け企業でした。


この犯罪の絵図を描いた連中は儲けるだけ儲けて逃げていました。


サギのカモリストの人間も騙されなくなるまでカモにされ続けるのでしょう。


それにしても開拓民達の暮らしは酷いものでした。

ろくに風呂にも入れていない様子ですし、寝具はペラペラで寒さで凍えて死ぬ人が一冬に何人も出るのも納得してしまう環境でした。

ステータスを見るとみんな栄養失調状態で、こんな酷い環境で生きているのが不思議なくらいです。




感想の返信で書きましたが、福島原発の6次下請け作業員もかなり薄給です。

日当は8000円ですが、そこから家賃の1000円が引かれて、そこから仕出し弁当のお金を払ったら日当が幾ら残るのやら。

『いちえふ』の漫画を書く為に貯める事ができたお金は20〜30万円で、

危険な場所で長期間の作業を住み込みでした割りにお金を残せれていません。

車の製造工場の期間工の方がずっとマシでしょう。

3次下請け企業の社員になれていなければ金銭的に大変だったでしょうね。

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