422話 北海道のタコ部屋(1928照和)
さて、北海道の大きな闇のもう1つがタコ部屋労働である。
このタコ部屋労働は日本中に斡旋屋が居て、その手先になっている連中も居る。ヤクザのフロント企業のような連中だと言っていい。
そして言葉巧みに騙して酒に酔わされたりして、勝手に借金の証書に拇印を押されて過酷な奴隷労働小屋に入れられるのである。
中には安い宿があると呼び込みに言われ泊まったら高額な宿代を請求され、
過大請求の犯罪の被害者がタコ部屋送りにされたりしている。
酒を勧められて飲んで眠って起きたら、『お前が酒に酔って寿司をバンバン注文して高い酒を注文したから、こんな金額になった。』と言われるのだ。
そして警察を呼んでくれと言っても、
やって来るのが仲間の腐敗した警官で
『頼んだ物は支払わなきゃ。払えないの?』とか言われて強引に借用書に拇印をおさせられて、言葉巧みに『北海道になら良い仕事がある。日当も1円貰えるから20日働けば初任給くらいは稼げる。』なんて言われて出稼ぎに行く事にされてしまうのだ。
しかも、斡旋会社に騙した人間を紹介すると紹介料は15円も貰えたらしい。
初任給が19〜20円の時代のこの金額だ。
北海道に行って牧場で放牧されている馬や牛を見張っているだけで大金が貰えるなんて騙された人もいるらしい。
カイジに出てくる悪質な金貸しの方がマシなのだから笑えない。
いや、そんな事はないか。
向こうの昭和世界では人の居ない場所での工事現場は宇垣建設の独壇場なので自然とタコ部屋は少なくなっていった。
向こうでは、素早くヤクザ組織を洗脳して支配下に起き、他に犯罪組織ができないように裏からも見張っていたから、悪い組織が増えなかったのだ。
それに朝鮮スラムは解体され、朝鮮人は帰国したし。密航して入ってくる朝鮮人も居ないし。
そして人を騙して犯罪紛いのやり方で人手をかき集める必要などないのだから。
なんせ、人がいたら派手に魔法が使えないから、人は邪魔なのである。
それは北海道も変わりはない。
原野開拓の方が人目を気にせずにガンガン魔法が使えるので向こうの世界の宇垣建設はガンガン魔法を使用して北海道を開拓していった。
人がいなければトラクター型のゴーレムも使い放題だし。
トラクターやロボット型ゴーレムは自立判断で勝手に土地を開墾してくれる。まるで未来農業である。
だから向こうの昭和世界では奴隷労働やタコ部屋奴隷労働は無くなった。
冬の川さらいのような工事はアースに
頼めば簡単に川の浚渫をやってくれるし。
初期の頃に囚人開拓が行われたくらいで向こうの世界の日本では全然奴隷労働は行われていない。
それに比べてこちらでは、、、
江戸時代よりも酷い労働が照和になっても行われているのである。
ゾッとしてしまう。戦後になって、やっと禁止令ができて、このような酷い事は無くなるのだが、今でもタコ部屋はあるし、借金返済の為にタコ部屋に行かされる人がいるのだから。
これほどの収奪を行ってもタコ部屋業者の利益は少なかったと言われている。
タコ部屋を管理していたのは下請け業者であり、談合や中間搾取などにより、元請業者を通じて政治家に政治献金として利益の多くを吸い取られたためという。
多額の政治献金を行っている元請業者や地域の有力者、ピンハネをしているヤクザなどがタコ部屋労働の上部構造として存在したことも、その根絶を妨げる一つの原因であったと言われている。
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