420話 北海道の闇②
移住政策を行っていた北海道。
土地が貰えるから、開拓すれば自作農になれると宣伝して移住者を集めておいて、移住先の土地が既に他の人間の所有物となっており、土地を持つ事ができずに奴隷のような小作人を強いられるというようなサギ紛いの事が行われていた。
いや、サギ紛いではなくサギだ。
移住者は農家の二男三男が多かった。
彼らは実家が用意してくれた、
なけなしの金銭を手に北海道へと希望を持って渡ったが、その先では実家より過酷な生活が待っていたのである。
このサギのような移住を行っていたのが、移住会社(もしくは移民会社)だ。
この事業者は北海道庁から委託を受けて移民事業を執り行っていたにも関わらず、このような騙すやり方で奴隷のように労働させていた。
北海道庁が配分して安価(場合によっては無償)に譲り渡した土地を自分達が横領して、本来なら土地を手に入れるべき農民に土地を渡さずに奴隷のような労働をさせている。
この移住会社は表向き支度金も貸すなどと言って農家に声掛けし、集団移住に際しては寮なども用意されていて、単独で移住するよりも経費などが削減できるといった話で移住を希望する農家を口説き落としていた。
北海同庁は開拓の必要性から移住会社の行動を黙認し、結果として多くの者が不幸な境遇に陥れられる事になったのである。
この手の集団移住地で寮などが完備されているのも夜逃げなど簡単にされないため常に監視できるようにするため。
貧困で移住できるかどうかも怪しい困窮世帯を狙って、借金の肩代わり等を行って経済的に拘束し、契約書にサインをした事を理由に逃げ道を塞いでいる。
そういう困窮家庭の方が騙し易いからだ。学が無いし。
しかも移住会社は本来ならライバルとも言える他の移住会社と徒党を組んで、外部にその情報が漏れないよう報道機関も買収していたらしい。
北海道庁の人間ですら移住会社と癒着している職員らによって情報が隠されていて、状況を把握していなかった人間もいた。
ゴーレム達の調べたレポートにはこれらの事実が書かれていた。
『まさかとは思うが、史実で満州に入植させた移民を集めたのも、アントニオ猪木さんの家族が苦労したブラジル移民の過酷な状況もコイツら移民会社の暗躍か?』
移民ではなく棄民と言われる事もある
これらの移民。
貧しい人間を過酷な北海道や満州やブラジルに捨てている側面がある。
それにしても平均して65%〜70%の収穫が管理している移民会社に奪われて、手元には35%〜30%の収穫しか残らず、寮とは名ばかりで家畜小屋のような掘建小屋に住まわせて奴隷のような労働をさせるとは酷い。
だが、管理している移民会社は役人や北海道のマスコミも仲間にして情報を隠蔽工作しているだけに、警察も仲間にしている可能性がある。
助け出すとしたらかなりの兵力を動かした方がいいだろう。
この移民会社って大物ヤクザや大物右翼が絡んでいる組織かもしれないし。
武装した3000名のゴーレムを動かして
宮様を巻き込んで水戸黄門ごっこが出来るかもと思ったのだが、第六感がやるな!と止めてくる。
天皇陛下の弟宮様に対して逆上して銃を向けてくるかもしれないと第六感がささやいてくるのだ。
ここで奴隷労働させられている小作農民達も何度も小作争議しているのに、未だに奴隷のような労働が続いているのだから一筋縄では行かない案件なのだろう。
宇垣の陸軍がフルに出陣と言っていい行動をする初陣が北海道で、敵は政治家や役人などと結託した悪徳企業というのは皮肉だ。
だが、奴隷労働させられている、彼らは救われなくてはならない。
これ、上皇陛下や天皇陛下が知られたら嘆かれ悲しまれるだろうな。
どう言おうか。
これ、移民会社は移民を集めさせるだけにして、北海道庁が責任を持って家や畑くらい用意すれば開拓民だってここまで苦労する事はなかったんですよね。
かなり手厚く援助がされた開拓地すら、開拓民が『本当に辛かった。手厚く支援されたが、開拓がこんなに大変だとは思っていなかった。』と言っています。
それは東北の大開拓の現場も同じですが、、、ブルドーザーの助けがあってすら10年以上も掛かった国家事業規模の大開拓事業ですもんね。
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