414話 その頃の東條英機。

史実の東條さんは1924年(大正13年)に陸軍歩兵中佐に昇進しています。

1926年(大正15年)には陸軍大学校の兵学教官に就任。

1928年(昭和3年)3月8日には陸軍省整備局動員課長に就任。

同年8月10日に陸軍歩兵大佐に昇進をしています。


史実の東條さんは1929年(昭和4年)8月1日に歩兵第1連隊長に補されている。

この時の東條さんは連隊の将校全員の身上調書を取り寄せ、容貌・経歴・家庭環境などを暗記し、それから着任しました。


陸大を受験する隊附の少尉・中尉には、隊務の負担を減らして受験勉強を助ける配慮をしています。


帝国陸軍においては、陸軍大佐たる連隊長と兵卒の地位は隔絶していまして、平時に兵卒が連隊長と話をすること、兵卒が連隊長を近くで見ることなどはありえないと言われるほどでした。

儀式の時に100メートル以上離れて連隊長の姿を見るのがせいぜいなどと言われるほどです。


史実の陸軍の内務班で新兵に対する陰惨な私的制裁が連日連夜にわたって加えられていたのは周知の事実なのですが、それを太平洋戦争敗北に至るまで全く知らなかった高級将校が実在したほど、連隊長が部隊の実情を知らず、

兵卒に対して無関心であることが当たり前なのが史実の帝国陸軍でした。


そのような風潮の中で、東條さんは部隊の実情を知るための具体的な行動を執り、兵卒を思いやる異色の連隊長でした。


東條は、各中隊長に、兵卒として連隊に入営が予定されている者の家庭を事前に訪問して、家庭環境を把握するよう指示しています。


そして連隊長たる東條が自ら内務班に入って兵卒一人一人から話を聞き、兵卒の食事に対しても気を配ってお手本を見せていました。

こうした部下思いの東條は「人情連隊長」と呼ばれて兵卒から好評でした。


東條さんはこの時の連隊長としては一流の人物だと言えるし立派だと思う。


この連隊長時代が1つの頂点だったと言えるでしょう。



ちなみに宇垣昌弘はゴーレム達に命令し、『小隊長は小隊を、中隊長は中隊を、大隊長は大隊を把握して末端の部下を労わり、私的制裁を無くせ。』

と言い、陸軍と海軍から私的制裁を無くさせようとしています。


ゴーレム達が感じたのは、酷い新兵虐めをしている古参兵は想像力に欠けているということです。

戦場に出れば指揮官や古参兵は前で指揮する。

新兵は後ろだ。

新兵が殺したいほど古参兵を恨んでいたら後ろから古参兵を撃つかもしれないと思っていない。


理解力に欠けている人間(未来の心理学で言えば境界性人格障害かもしれない)が新兵への私的制裁をやっている印象がある。


そういう兵士は洗脳魔法で洗脳してでも性格の改善をする必要があるな。とゴーレム達は思うのだった。


東條さんが慣例を変えて他の師団や連隊でも末端の兵士を労わるような改革を行っていたらもっと立派だったのだが、、、

全体が変わる事は無さそうだ。


少なくとも各連隊長や大隊長、中隊長が部下に気を配るようになっていればと思ってしまう。

いや、そんな事を言い出したら反発も大きいだろうか。

だから断念したのか、、、

首相の時に家庭から出るゴミ箱を視察したのはやり過ぎだろう。

総理としてどうかと思う。

末端の実情を知ろうとしたのは立派だが。

少なくとも知ろうともしない人間達より、東條さんの方が立派だ。


今の東條さんはもうすぐ大佐になる中佐で、史実のような連隊長になるかどうかはわからない。

向こうでは少佐、中佐時代から兵卒に気を配る人情味のある人だと評判だったが。


向こうでの陸軍軍人を見てて思ったのだが、満州事変というでっかい事を石原莞爾がやって英雄として見られるようになり、処罰されなかった事が石原より上の軍人の野心に火を付けたような気がする。


いや、石油や資源が豊富で困っていない、あの日本と史実の日本を比べる事自体が間違っているか、、、


ひとつだけ触れておきたいのは、

大陸利権の中には阿片や覚醒剤を大陸に売り捌く利権も含まれていると言う事だ。

その利権があるからこそ腐敗した天津租界などの地域には膨大な金が稼がれていたのだし。

山東半島経由で売り捌くルートがあった青島や上海や南京も麻薬を大陸内部に運ぶ大きなルートのある場所だ。


大陸浪人が大陸に渡るのも、右翼が大陸利権に固執したのも影に麻薬ありと

言っていい。


もちろん、史実の満州が短い間に大きく発展したのにも麻薬を抜きには語れない。

禁酒法の時のシカゴのアル・カポネファミリーの稼いでいた金額以上のお金が手に入って来ていただろう。


日中戦争が始まると中国で麻薬ビジネスで稼いでいた連中のビジネスがやり難くなるから、米英や他国の連中は

中国に味方をしたのである。



今の照和世界の中国だが、麻薬ビジネスの相手先の青幇は全然弾圧されていない。

上海租界の麻薬ビジネスはそのまま継続されている。

武漢や漢口への砲撃も外交サインの1つなのだが、、、

つまり、排外運動と領事館攻撃、外国人への犯罪は許さない。と伝えようとしているのであるが、、、


蒋介石がなんと言おうと排外運動にブレーキはかからないだろう。


人が死に過ぎてしまったので中国人の敵意は燃え上がっている。

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