409話上海の戦場で。(1928)
上海は戦場になっていた。
だが中国共産党側は弾薬が多くなかったらしく、弾切れになり内部に立て篭もる中国人を追い出す掃討戦のような状況になりつつあった。
拳銃はブローニングの安価な拳銃でも
相応の値段でしか買えないだろうしな。
むしろ問題なのは追い詰められた中国人が自暴自棄になり火を付けて自殺しようとする事だった。
一矢でも報いたかったんだろうが、これも中国人は危険で排除しなければと思われただけだった。
そして中国人居住地からは可燃物が見つかった。
どうやら建物全体ではなく木造建築物の一室が放火をする為の火付け部屋だったらしい。
火災延焼計画が一番効果的な作戦だと中国共産党は思っているらしく、その為の事前準備が行われていたようだ。
インド軍は容赦せずに中国人を殺していった。
疑う目で見れば普通の中国人のアパートもいくらでも怪しく見えてくる。
1つの部屋に複数の男が住んでいる事があるのも怪しいし、刃物もすりこぎも何もかもが怪しくも見える。
まぁ、英軍や米軍が中国人を皆殺しにしろと言うのだから、インド軍は皆殺しにするだけなのだが。
そして中国人の側にも立ち退かない理由はいくらでもあった。
少なくとも今までは、租界のまわりならいくらでも職は見つかった。
船からの荷下ろしでもなんでもある。
それに租界の近くなら治安もまともだ。
中国の軍隊は、民衆の全財産を奪って女性は強姦して殺して、家は遊び半分で燃やす軍隊だ。
それなら租界の近くの方がよっぽどマシだ。
中国の軍隊が来たら租界に逃げ込めばいい。
だが、虐殺されて放火されて租界が焼かれた米英軍は完全に戦争モードに入っていた。
それは死者の数にも現れている。
中国人の死者は現時点で軽く5万人を超えていた。
立て籠もって出てこない部屋には容赦なく手榴弾が投げ込まれた。
そしてインド兵もフィリピン兵もアメリカ兵の残酷さにドン引きしていた。
子どももアメリカ兵に連れて行かれて
、その後で食べ物の残り滓を入れて埋める穴に子どもの死体が捨てられている事があり、インド兵やフィリピン兵を絶句させていた。
死者はまったく弔われていなかった。
頭蓋骨を取る為に頭などが取られて残り滓になった死体の残骸は適当な穴に入れられ残飯やゴミも入れられて埋められた。
『中国人は人数が多過ぎる。この戦争で中国人の人口を減らさないとダメだ。』とアメリカ軍の幹部は部下に発破をかけた。
飛行船を使って大量の焼夷弾を中国の都市にばら撒いて炎で逃げ道を塞いでから焼き殺せば効率がいいのにと思う米軍幹部も居た。
それなら何万人も殺せるだろう。
辺境に追い出せば飢えて死ぬからかなり効率も良くなる。
大型爆撃機開発計画に予算が更に追加された。
性能はそれなりだが、第1次世界大戦の時に4発の爆撃機は空を飛んでいる。
史実の歴史ではルーズベルト大統領は
ドイツとの戦争が始まったソ連に2億5000万ドルもの武器弾薬を借款させ援助しました。
そして蒋介石には14億ドル以上の巨額の借款を与えています。
まったく違う歴史になろうとしていますね。
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