408話 1928上海の戦場。
『中国人は上海から出て行きなさい。
上海は中国領土ではありません。』
『ダーン、ダーン、ババババン』
3個師団のインド兵が集結した上海租界。
中国人に対して呼びかけが行われたが
返事は銃声だった。
今までも何度も中国人は住んでいる場所から追い出されて、その度に上海の国際租界とフランス租界は広がっていったのだが、その度に少なからず衝突はあった。
だが今度は違うようだ。
中国人は武装しており、大規模な市街戦闘が起きそうな雰囲気だ。
アメリカとイギリスは租界の安全性を高める為、国際租界とフランス租界をもっと広げて城塞都市のようにして、
その外側をインド租界にして何かの被害があっても内側に被害が及ばないようにするつもりだった。
今までは租界の中にも中国人の流入を許してしまったが、これからは中心部には中国人の流入は許さない。
インド租界の中も資産家の中国人しか許さないつもりだ。
メイドならフィリピン人がいる。
インドから呼び寄せてもいい。
チャイニーズは危険だと国際租界の人間は認識しつつあった。
もう一度同時多発に放火されたら大変な事になるだろう。
特に租界の内側から風の強い日に放火
されたら危険だ。
対処は非常に難しい。
インド兵は圧倒的な数にものを言わせて中国人を排除していった。
そしてトロフィーを手に入れようと中国人の死体に白人兵士達が群がっている。
彼ら白人に罪悪感は無い。
いや、罪悪感を感じても表に出す事は難しい。
狩りをして獲物を解体もできないなんて【臆病者】と思われてしまうからだ。
兵士として平然としながら中国人の耳を切り取ったり、首を跳ねるくらいの事はできてあたりまえなのだ。
それを嫌がったら情け無い臆病者(チキン)だとバカにされてしまうだろう。
新大陸に来た白人達は
『神に似せて作った人間とは白人の事であって、黒人は神を侮辱する獣であるから絶滅させるのが神の意思だ。』
などと言う神父がいたほどだ。
彼らアメリカ兵士は『チャイニーズ狩猟許可証 年中有効無期限』と書かれたバッジを軍服に付けていた。
そしてヘルメットには『ネズミ駆除業者』と描いている兵士達もいた。
捕獲した中国人をインディアンのように奴隷売買できたら大儲けできるのにと多くの兵士達は残念がっていた。
アメリカの世界地図では中国や日本は辺境にある。
辺境深く攻め込んで多くのトロフィーを手に入れて略奪して大儲けしようとアメリカ兵士は思っていた。
新大陸で大儲けした人間達のように。
上海でのチャイニーズ狩りは始まりにすぎない。
史実の硫黄島での米軍は『ネズミ駆除業者』とヘルメットに書いてましたし、『ジャップ狩猟許可証 年中有効無期限』と書かれたバッジを軍服に付けていたのも史実です。
アメリカ東海岸側から始まったインディアン戦争では捕まえたインディアンは奴隷として売られています。
1920年代後半といえばアメリカ国内で
チャイナに対してファンタジーなイメージが生まれる反面で、日本に対しては悪いイメージが生まれ始めて対日感情が悪化する危険性がありました。
あの南京での中国人暴徒が行った大虐殺や上海大火はまさにギリギリのタイミングでした。
『タイム』や『ライフ』を創刊してラジオや映画、ニュースに大きな影響力を持つヘンリー・ルースは宣教師の父を持ち中国で育ちました。
親中反日の人物です。
ゴーレム達はヘンリー・ルースを支配魔法で支配して南京や上海の事件から
ガラッと言う事を正反対にさせ、親日反中の人物に変えました。
そして中国人をありのままに描いた本を幾つも出版させ中国人のイメージを最低な物に下げ始めています。
ちなみに記念品の頭蓋骨を貰ったので兵士さんにお礼の手紙を書く少女の写真が載ったのはライフの1944年5月号です。
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