404話 天津租界&暗躍するゴーレム。
天津租界とは1860年からイギリス、フランス、ドイツ、日本、アメリカ、イタリア、ロシア、オーストリア=ハンガリーとベルギーなどの国が不平等条約や協定を通じて中国の天津旧市街の南東部に行政自治権と治外法権を設定した租借地である。
天津は北京への海からの入り口と言ってよく、阿片などの密輸の入り口でもあった。
実はもっとも腐敗している租界と言っていい。
まぁ、阿片窟のあった上海のフランス租界も相当な腐敗の仕方だったが。
まぁ、右から左に阿片を流すだけで大儲けできるのだから日本租界の人間が
天津からの引き上げに反対し、残ろうとするのも無理はない。
洗脳魔法が無かったら絶対に帰国はしなかっただろう。
今では麻薬ビジネスはここにいる日本系ゴーレム達の主要ビジネスになっている。
こういう腐敗している場所は麻薬の中継地にもなっており、アメリカ向け欧州向けにも阿片や麻薬が輸出されている。
まぁ、マフィアと取り引きしているのは青幇(チャイニーズマフィア)だが。
こちらは黄幫と名乗って新興の中国系マフィア組織でインドなどに伝手があると思わせて取り引きしている。
それにしても麻薬ビジネスは儲かるものだ。
産地で仕入れた激安の麻薬を日本以外の世界中に輸出して大儲けしているが、ロシアマフィアを通じてソ連にも麻薬を販売している。ソ連にもかなりの需要がある。
それはウォッカや缶詰、いやなんでも売れると言っていい。
禁酒法時代なのでアメリカでもソ連でも酒が高く売れて万々歳である。
いくらでも作れるウォッカが10倍以上もの値段で売れるのだから美味しい商売だ。
だが、ゴーレム達が密売しているウォッカだが品質も良い為プレミアが付いているらしい。
なんのかんので帳簿外の武器弾薬があるソ連からはかなりの武器を仕入れる事ができている。
その武器を未来でいえばカザフスタン、ウズペキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンのイスラム系組織に譲って武装化を進めている。
ソ連の武器だから彼らがソ連兵を倒せばソ連から弾薬も手に入れられる。
もちろんアフガニスタン経由でインドから密かに輸出しているふりをしているのだ。
これでソ連とインドの仲を引き裂くネタの1つにできる。
そしてソ連に対してだが、宇垣昌弘は敵と認定している。
なのでソ連が弱体化するような気候変化を起こさせてソ連を凶作にしたり、災害を起こしている。
そして、中国共産党だが、農民にかなり酷い事を教えている。
敵から盗んだり略奪をするのは良い事だと無学な農民に教えこんでいる。
しかも、共産党が死刑にすると言った村長の死刑にほんの少しでも躊躇した人間をチェックして殺害したりしているのだ。
すでに共産党の支配地域での、中国共産党の恐怖政治は始まっている。
だが、宇垣のゴーレム達のカウンターアタックも始まっている。
中国共産党の支配地域では天候不順になったり病害虫が蔓延したり、流行病が流行ったり、ありとあらゆる災害が起きているのだが、『中国共産党が嘘を教えているから天が怒っている。』との噂が拡散しているのだ。
そして『中国共産党はソ連の共産党に国を売ろうとしている売国奴で、岳飛将軍を苦しめた宦官の秦檜のような連中だ。』との噂も流れている。
宰相の秦檜と言えば中国人の民衆にもっとも嫌われている売国奴である。
民に人気がある岳飛将軍に冤罪をかけて謀殺したのだから嫌われて当然だ。
ソ連に国を売り渡そうとしていると噂になった中国共産党は大慌てで否定するのだが、『ソ連と中国は一体だ。』
と教えていたのは中国共産党であり、
今更否定しても遅いのである。
この噂はヒソヒソと囁かれ続けるのだった。
中国共産党は民衆の支持を得るどころか、民衆から恨まれ始めていた。
共産党員の殺害事件がここから増え始める。
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