390話 宇垣昌弘の狙い。
竹中半兵衛が遠慮がちにたずねてきた。
「よろしいのですか?荒れますよ中国。」
『まぁ、不平等条約はこのままだろうし、どうなろうとも荒れるだろ。中国の内戦とナショナリズムは止まらないよ。』
実は宇垣昌弘は中華民国は荒れるって事しか知らないし、各地の租界が襲撃される事しか知らない。
ある程度の未来知識があったら、もう少し余裕を持って派遣している。
今回の南京事件の件だが、ゴーレム思いの宇垣昌弘にとっては苦渋の派兵だった。
600名に護衛をさせて、1200人を避難させただけで充分だろうとも少しは思ったのは事実だ。
避難に間に合わなかった人達を救う為に150人もの人型ゴーレム達を危険に晒してしまうのは辛かった。
南京の日本領事館だが、相当な激戦だった。
正確無比な射撃術と豊富に持ち込んだ弾薬と手榴弾があり、手榴弾を敵兵や略奪にやって来た暴徒の頭上で正確に炸裂させて何度も敗走させた。
実は宇垣昌弘は転移魔法で南京領事館に転移して下見している。
そして、意外と守り易い立地で領事館もやり様次第で要塞化が可能な事、
重機関銃の使用も許可する事で、これなら守れると思ったからこそOKを出したのだ。
特殊部隊の兵士以上の精鋭な兵士が事前に籠城の準備を行って、150名もいたのだから勝算は高い。
そして彼らには自分達の負傷を治療する治癒魔法があるし、相手を恐怖させて敗走させる精神魔法の『恐怖』の魔法もある。
転移の魔法で帰る事もできるし、増援を送る事もできる。
そして、中国人の暴徒の酷さを体験して生き残り、生き証人として中国の酷さを言い続ける人間になる事が必要だったのだ。
この南京事件ではすべての外国の領事館が攻撃され略奪されて残っていた人は殺害され拷問され遺体は見るも無惨に損壊されていた。
600名の兵士によって日本人1000人と各国の領事館から集まった避難民200名を避難させた事は各国から賞賛された。
その上で、今回の籠城で100人もの外国人達を更に助けて守りきったのは更に各国から賞賛されて感動されている。
各国に居る日本大使は犠牲者の追悼式典にて凄く良い扱いをされている。
各国の避難民100人を守り抜いたのだから150名の兵士は英雄視されて当然だろう。
宇垣が洗脳工作をして操っている先進各国のマスコミも今回の日本の壮挙を大々的に報じている。
そして、各国の新聞ジャーナリズムは中国事情や日本の事情に対して詳しい
人を探していたので美男子で背が高い
人型ゴーレムが取材に答えて宇垣系のマスコミの御用達コメンテーターになるのだった。
彼等の活躍で更に日本のイメージはアップする。
これで、かなり日本の立場は良くなったと言えるだろう。
逆に言えば中華民国の立場は厳しくなった。
義和団の乱の時の柴五郎中佐の偉業も絡めて報道され、日本の国際的な評判は更に高くなれた。
これから外交するにしても評判上げは絶対に必要だったのだ。
一度、悪い国と思われるとそこからの
イメージアップは凄く大変だ。
これからも南京事件のような事は起きるだろう。日本は日本人を撤退させたが北京、天津、青島、上海の租界、また南京で起きる危険性もある。
日本は『中華民国は危険地帯だから領事館へは100人以上の軍人を派遣して警備をしてほしい。』と世界各国に呼びかけた。
そして、『中華民国で安全なのはイギリス統治下の香港とアメリカ統治下の上海だけ。』とも訴えている、、、
これは暗に租界を作るにしても、軍隊を派遣して守りを厳重に堅めないと危険だと訴えている、、、
日本は外交でイージーモード。
チャイナは外交でヘルモードになってもらおうと思っている。
いや、マスメディアを動かしてそうさせる。
ただでさえ、『日本のせいで多くの植民地は独立運動をやり始めた。』と
恨まれかねないのが大日本帝国なのである。
ほんと、日本はよくまぁ、昭和の後半や平成や令和の頃に国際的評判を上げれたものであると関心してしまう。
それも一般の日本人の外国での生活態度が良いからでもあるのだが。
中華民国は人口も多いしビジネスチャンスがあると思われがちだから、徹底してリスクが高い腐敗した国である事を強調して国際常識にしなければならない。
なんせ国際法を無視して領事館を襲撃する国に未来はない。
今は1927年。
照和である。
領事館は他国の領土であるのに、よくもまぁ襲って虐殺できるものだ。
呆れて物が言えない。
いや、表向きは中華民国だが、今は軍閥が大きく3つに分かれて統一戦争の真っ最中の戦争国であり、騒乱状態だ。
まぁ、何処が虐殺をしても責任は蒋介石に取って貰うが。
そしてペナルティは受けてもらう。
あの国にはわかってもらいましょう。
評判が悪くなったらどれほどのマイナスになるか。
まぁ、三国志の時代の前の漢王朝の時代のもっとも増えた時の人口は6000万人居たと言われています。
それが黄巾の乱とその後の戦乱によって人口が急激に減少し、最も多い推計でも1500万人。最も少ない推計だと500万人にまで人口が減っています。
そんな事を繰り返し続けているのが中国なのです。
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