389話 蒋介石謝罪する。(1927照和)

蒋介石の謝罪声明文は色々と書いてはいたが、要約すると『南京事件を謝罪致します。誠に申し訳ありません。』と蒋介石は謝罪した。

だが、虐殺をしたのは中国共産党の連中の謀略のせいだと責任転化も忘れずに言っていた。


だが、領事館が襲われないように南京の治安を守るのも中華民国の正規軍(国民革命軍の第二、第六軍を主力とする江右軍。総指揮官は程潜)

を動かした蒋介石の役目である。

暴徒を止めようとした軍人や警官は1人も現れなかったのだから虐殺を黙認した蒋介石の責任は重い。


前に支配していた張宗昌の方がマシであると言われてもいいのだろうか?

最後の数日間の略奪はともかく、最低限の治安は一応守ってはいた。

領事館は襲われてはいないし大違いだ。


治安を良くしようとしなかった蒋介石と総司令官の程潜の考えている事がわからない。


被害者遺族にも賠償金が支払われ、

被害が出た各国にも賠償金が支払われた。


南京城は全体がイギリスとアメリカの共同租借地とされ城内の中国人の財産は没収された。

そこは再開発され各国の領事館も置かれる事になる。

米英が守るのなら治安も良くなるだろうから、一応は日本領事館を置いても安心である。

中国人は入れなくなるだろうし。


そして上海は2100年までアメリカに租借される事になった。

イギリスの租借地の香港も2100年まで

租借される事になる。

1997年に返還される予定だった香港の返還が100年以上伸びたわけだ。


一方で日本は領土を要求せず、3億両の銀貨の賠償金で妥協した。


青島、天津、北京は各国の租界が広くなるので、これで貿易もやり易くなるだろう。


その蒋介石は全部の罪を共産党の暗躍のせいだと決めつけて捕まえた共産党の幹部を惨殺。

共産主義者を逮捕しては殺害した。



日本政府の外相は史実と同じ幣原喜重郎だったが、現地の情報は宇垣昌弘経由で入る情報が圧倒的に多く、宇垣昌弘経由の情報では、

『各国の領事館が襲われているのに、現地に居る蒋介石の部下は1人も守りに現れない。

軍服を着ている連中が無理矢理に領事館に暴徒を入れようとしてくる。

南京城内の治安を守ろうと蒋介石は軍を1人も動かさずに現地では大規模な虐殺と略奪が起きている。現地の司令官は虐殺を止めようとしない。』

との報告を受け、これは現地の治安を守ろうと全然動かない蒋介石や現地の司令官に問題があると判断した。

もっとも、これらの情報を聞いても蒋介石を庇おうとするのなら幣原外相に外務大臣の資格は無いと判断して宇垣系のマスコミは一斉に幣原の間違った判断を批判しただろう。


日本の宇垣系の新聞各社は陸海軍の陸戦隊が合同で南京から1200人の避難民や領事達を避難させた壮挙を褒め続けた。

そして、いち早く領事館の閉鎖を決定して各国にも領事館の一時閉鎖を提案した外務省や外務大臣の判断も褒め讃えた。

これらにより、宇垣派と呼ばれる外務省官僚が更に存在感を出し始める事になる。

まぁ、総理や各大臣が間違った事を言い始めたら、その場で洗脳魔法を使って発言を取り消させて、まともな発言を言わせるつもりだが。


ちゃんとした情報を上げても、判断が変な人はどんどん取り除く予定である。

戦争をやる時には宇垣内閣が必要かもしれないなと昌弘は思い始める。

竹中半兵衛や黒田官兵衛なら大臣を任せれるし、安心して仕事を任せられるからだ。

まぁ、『近衛文麿』の登場は無いだろう。

しかし、、、側近達が歴史的偉人と同姓同名ばかりとは、まるで紺碧世界の内閣のようになってしまう、、、



蒋介石は金を取り戻す為に中国各地の富豪から借金すると言いつつ、脅迫してお金を奪い取った。

この時代の中華民国には大まかに分けると大規模な軍隊は、蒋介石らの国民党軍、中国共産党、奉天派(直魯連合軍)があったが、各地に匪賊も山のように存在していた。


匪賊は公的な権力の及び難い場所にならどこにでも居て、行政上の境界や農村部、辺境の山岳地帯などに居る事が多い。


梁山泊があった山東省などは土匪の本場などとも言われている。

近くには青島がある場所だ。


山東の馬賊は剽悍(敏捷で勇敢)とも言われて、中には義侠心の強い馬賊もあった。

このような義侠心の強い馬賊に税を支払った方が、他の賊や土匪からも守って貰えるので、何もしてくれない上で税金だけは高く奪い取る腐敗した政府軍よりも馬賊の方がずっとマシと中国の民衆が思っていた。というエピソードがある。


更に、土匪や馬賊の中には農村に駐留する時はあらかじめ通告し、略奪や強姦などは一切せずに商品などや食料も

相場よりも高い金額で買うような地域の民に慕われる土匪や馬賊もいた。

このような集団は土匪(土着の匪賊)や馬賊というより地元の義賊と呼ぶべきだろうが。


強姦や略奪をする政府軍より馬賊や土匪の方がずっとマシと言う意味で、

『政府の軍隊は土匪以下。』とか、

『山賊の方が、何もかもを奪って殺す政府軍よりマシ』とも中国の民衆から言われている。


そういえば山東省の富豪と言えば邵承栄の家もあるが山東軍閥の人間が無茶な事を言って来た時に形意拳の達人の尚雲祥老師のお弟子さん達が睨みつけて追い返したらしいが、蒋介石はそこにも税金を支払えと言って来て無視されたらしい。

義に篤く、多くの武術の達人に慕われている邵承栄の家にそんな事を言って来るとは愚かな、、、と蒋介石は評判を落とすのだった。

まぁ、部下が勝手に無作為に富豪に税金の通知を出して、ダメでも元々と思っているのかもしれないが。


これが原因かはわからないが武術の達人達が蒋介石を軽蔑するきっかけにはなったらしい。


民衆に恨まれた山東軍閥の張宗昌に続いて、蒋介石達も山東省では嫌われるようになったらしい。


いや、元から嫌われているが、大っぴらに嫌われるようになったと言うのが正しいか。

この時の蒋介石は政治を全然していない軍隊の親玉だから好かれるはずがない。


そして中国共産党だが、勢力拡大の為、その地方のゴロツキの農民の若者と一緒に地主の家を襲撃して地主の一家を全員捕らえて土地の権利書を焼いて、

『地主の持っていた土地はすべて解放した!土地は君たち農民の物だ!』と言って、地主一家を皆の前で処刑して

地主の財産を没収して、村は共産党の命令を聞くゴロツキに管理をさせて、兵士に出来そうな屈強な農民を徴兵して次の村を襲うという事をやり始めたのだ。

(これはいつからなのかわかっていない。超巨大ゴーレムが地下に伸びる前の事はわからないし、さすがの超巨大ゴーレムも共産党の支配地とかに気をつけていない。

大規模な軍隊や人間の動きはすぐに察知して、会話を盗聴して何処の軍隊か教えてくれるのだが。小規模な攻撃とか、小規模な殺人だと中国では無数に発生してるからなぁ。)


このやり方は中国共産党のオリジナルではない。

歴史的によくされているやり方だ。

農民反乱の時にもこのようなやり方が行われている。

結局は自分達の言う事を聞く人間を責任者にして支配地を広げるだけの事だ。

そして地主の処刑に反対したり、嫌々賛成したような村人は密かに殺されて処分されているらしい。

不満を持っているかもしれない人間を危険分子かもしれないと決めつけて処分するとは酷いものだ。

(こうして善良な人が殺されてしまう。)


こうして中国共産党は軍勢を増やしていくのだが、指揮官や幹部達の家族や

奴隷にしている女性も連れているので

ろくに軍服も着ていない大家族集団が大移動しているみたいに見えて、史実では目撃した欧米人のジャーナリストを驚愕させている。

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