386話 蒋介石の南京進行②(1927照和)

南京を占領していた張宗昌らの直魯連合軍8万は戦わずに南京から逃げ出そうとしていると噂が流れていました。


駆逐艦『檜』らの第24駆逐隊は戦争になれば、南京でも虐殺や強姦が起きるだろうから日本人達をできるだけ避難させようとしていました。


そこに待望の援軍がやってきました。

海軍の『四万十』『玉川』です。


かなり大きく見える船体なのに武装は少なく見える『四万十』を見て駆逐艦の乗員は『あんな船が海軍に居たのか?』と不思議に思いつつも迎え入れます。

最新型の古鷹ですら1万トンに満たないのに、四万十達は1万トンで横幅は古鷹の倍の幅広さですから不思議に思うでしょうね。


四万十艦長から受け取った命令書には

『四万十艦長の指示に従って日本人を保護して速やかに避難せよ』となっています。

普通なら喫水が浅い駆逐艦の方が河岸近くに停泊するはずなのですが、四万十と玉川が盾になると言い、『檜』達は四万十と玉川から下ろされたエンジン付きの内火艇とカッターと自分達の内火艇とカッターを使っての運用を任されます。


この四万十達が間に合ったのは中のゴーレム達ごと四万十と玉川を錬金工場内に入れたアースⅡが夜明け前に上海沖に出したからです。

そこから長江を遡って四万十達は駆けつけました。


四万十から100名、玉川から100名が内火艇で降りて南京城に入ろうとすると

張宗昌の兵士が銃を略奪しようとしますが兵士達は銃を突きつけて威嚇します。

『やはりな。コイツら中国兵は理由をつけては金を儲けようとしやがる。』


史実の海軍陸戦隊は僅か10名で、小銃などの武器を奪われて荒木亀男大尉は

翌日まで勾留されましたが、こちらは武装した屈強な男が200人います。

南京城の城壁の上からは日本の大型軍艦2隻の姿も見えますし、ここでトラブルになれば巡洋艦が威嚇をしてくるかもしれません。

『貴様ら中国兵を皆殺しにしてでも入城させてもらう。』と脅迫されて中国軍兵士は日本軍兵士の前を退きました。

当時の南京は大都会です。市街地は南京城の外側を長江に向かって斜めに広がっており、城門は三重で堅固でした。


領事館に到着すると領事や避難民達はホッとしたようでした。


『領事、連絡をすればすぐに400名が駆けつけます。南京城内の各国の領事館に連絡してください。避難するのであれば日本兵600名が護衛できます。

これが蒋介石軍がやって来る前に避難できる最後のチャンスです。

領事館を閉鎖し全員を避難させてください。巡洋艦の四万十と玉川と駆逐艦に全員を受け入れられます。』


その頃、四万十は南京にいたアメリカ海軍の駆逐艦ノアやイギリス海軍の重巡ヴィンディクティヴに連絡して、

『避難民を日本大使館に来させてくれれば600名の兵士が護衛してアメリカやイギリスの艦まで送り届けます。』

と連絡しました。


20名の兵士に護衛されながら日本領事館の人間が各国の領事館を巡って、

『明日の朝に準備を整えて日本大使館に来ていただければ日本兵600名が皆さんを護衛してアメリカの駆逐艦かイギリスの巡洋艦に送り届けます。

日本の巡洋艦にも避難できます。

蒋介石軍がやって来る前に上海まで避難しましょう。』

と決断を促しました。



翌日、各国の領事館をまわったところ、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、デンマーク、ドイツなど、おおよそ200人の避難希望者が申し出てきました。

ほとんどが領事館の関係者の女性です。

彼らを日本領事館に案内し、立てこもって待っていると、、、


四万十と玉川から降りた400名の兵士は着剣した38式騎兵銃と弾薬を身に付けたフル装備状態で整列し市街地を行進し始めました。


城門まで来ましたが、殺気だっている400名の武装兵に怯えて中国兵は何も言って来ません。

イギリスの重巡やアメリカ駆逐艦も大砲をこちらに向けて威嚇して援護してくれています。


『やはり武力で脅すのが手っ取り早いな。』

ゴーレム兵は屈強で美男子な兵士ばかり。

何かあれば中国兵を殺して城門を確保するつもりなのですから、怯えるのも無理はありません。

38式騎兵銃の銃剣は斬撃強化の付与魔法をかけているので切れ味抜群です。


無事に日本領事館に到着した日本兵400名は避難する皆さんに対して、

『我々日本軍が皆さんを命に替えても守って避難させますので御安心してください。』と英語と日本語で言い見事に揃って敬礼しました。


屈強でハンサムで見事に訓練されている兵士が大勢居るのを見て避難民達は歓声をあげました。

感動して涙ぐんでいるご婦人もいます。


1200人を前後左右から守りつつ、城門の兵士達を脅かしながら通過すると河岸には日本の兵士とイギリスとアメリカ兵士が武装して内火艇やカッターを守っていました。

武装した数百のイギリス&アメリカ兵士が城門から見える場所にいて威嚇してくれたから城門をスムーズに通れたのでしょう。


イギリスとアメリカの兵士も感動しながら見事な敬礼をしてきます。

感動して涙を流す欧州各国人やアメリカ人の避難民をイギリスやアメリカの内火艇やカッターが運んでいきます。

日本兵とイギリス&アメリカ兵は握手をして喜びあうのでした。


この避難の一部始終は避難民の中に居た新聞の特派員の手と、日本の宇垣系新聞の記者によって写真が撮られて『南京エクソダス(大脱出)』と大評判になります。


日本人の避難民1000人(中には領事館の関係者達と、日本と懇意な中国人の富豪もいる)を乗せた四万十と玉川は錨を上げて避難民を乗せたアメリカ駆逐艦とイギリス重巡と共に航行しながら無事に上海に到着。別れをつげながら巡航を続けて東京に到着して大騒ぎに巻き込まれるのですが、、、


早々に出航して30ノットで南へ爆進しました。


檜、桃、樫、柳と桃型駆逐艦の同型艦で編成された第24駆逐戦隊では蒋介石軍への対応は荷が重たいでしょう。


彼らゴーレム兵150名は南京で何が起きるのか歴史の証人になり、見届ける為に領事館に残りました。



張宗昌らの直魯連合軍が日本軍から銃を没収しようとした事や各国の人々が避難しようとした時に妨害をしようとした事は世界的に大ニュースとなりました。

いえ、宇垣系のマスコミが大きく報道しました。

そして国民革命軍と名乗っていた蒋介石の軍隊が行く先々で虐殺や略奪をしている事や、南京でも虐殺や略奪をする危険性が高いので各国に領事館を防衛する軍隊の派遣を求め日本政府は警告しました。


張宗昌も蒋介石も中国共産党も略奪で

軍隊を維持していると各国のマスコミは報道します。

それはアメリカのマスコミもです。

史実とは違いますね。

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