385話1927年蒋介石の南京進行①(照和)
当時の中華民国は各地の軍閥が支配下にある場所を自分勝手に支配していた内戦状態でした。
各軍閥が天下を統一しようと争っていた後漢末期の時代のようと言えばいいでしょう。
張宗昌は紆余曲折あって奉天派になった成り上がりの将軍で山東省を支配した時は残酷で民衆から憎まれていました。
まぁ、当時の中国のほとんどの将軍や軍人はやりたい放題して富豪を脅迫して99年先までの税金を取り立てるなんて事をしていましたから、これが普通といえば普通なのですが。
この張宗昌は1926年に北京を攻撃して
北京を占領し、南下しています。
そして各地で戦闘しつつ、その時は南京にいました。
1927年の南京は張宗昌の直魯連合軍8万が支配していたのですが、軍隊に参加して民衆から略奪して一儲けしようと思っているチンピラなども含む水膨れしている軍勢でした。
戦争の時はコイツらチンピラ兵士を前方に出して戦わせて将軍と直属の部隊は傷つかないように後方で督戦するのが普通でした。
蒋介石の側もそれは同じなので直属の軍はともかく、それ以外は酷い連中ばかりの軍隊でした。
当時の中国軍にとっては略奪は当たり前なのです。
殺人、略奪、強姦、放火をしてあたりまえという連中が軍服を着ています。
『はぁ? 南京に日本人が残ってる?』
地下の超巨大ゴーレムのアースⅡくんの報告を受けて宇垣昌弘は驚きました。
当時の南京は北京や上海と並ぶ中国有数の大都市です。面積は北京や上海や長安以上です。
(明王朝時代の南京城は世界中世史上で、敷地面積が最大の都市であり、宮殿の面積だけで1.16㎢、皇族が住む皇城は6.53㎢、内城の面積は55㎢、そして外郭も含めた都市全体の面積は248㎢と非常に広大であり、唐の長安(面積87.27㎢)の二倍以上、清王朝時代の北京城(面積60.06㎢)の四倍以上の広さを誇っていました。(山手線の内側の面積が63㎢))
1000人ほどの日本人が中国各地から逃げて南京に集まっていたらしいのです。
中国の長江沿いの街にいた日本人が避難するとしたら集まって来そうな場所が南京です。
領事は『もう日本人が居ないと確信できないと領事館は閉鎖できない。』と
在留日本人を守る為に残っていたのでした。
当時の中国で1番の面積の大都会なだけに、閉鎖は難しいと考えてもおかしくありません。
日本人がいざという時に頼るのが領事館です。
まぁ、財力豊かな宇垣財閥がやって来る前の日本なら、日本に帰国するのなら財産の金額は政府が補填すると言っても大した金額は貰えずに大損する
事になったでしょうから補填という言葉を信じられないのも不思議ではありません。
北京や天津、青島、上海から撤退した日本人は満足できる保証金額を手に入れていたのですが、お金を持っていると親戚が増えて財産に群がってくるので、黙っている日本人ばかりでした。
中国で商売が上手くいっていて、帰りたくないというのはわからなくもありません。
せめて、上海か香港に逃げればいいものなのですが、上海にはアメリカが、香港にはイギリスが軍を集結させていると聞いて南京で情報を集めようとしたようでした。
南京まで来れば安心だと思ったのでしょう。商船で下ればすぐに上海です。
軍隊が集まっているとなるとホテルなどは泊まれなくなり、治安の事も考えると逆に行き難いのでしょう。
これが白人なら上海や香港に逃げるのでしょうが、日本人は中国人と見分けがつきませんからねえ。
色々と大変でしょう。
そうして南京に来たら戦争になりそうと言うわけです。
海軍も駆逐艦の檜など、第24駆逐隊を派遣して援護しようとしていました。
駆逐艦『檜』は基準排水量755トン
乗員は109名。
12㎝砲を3門搭載していました。
(史実の当時の中国で財産を得て日本に送金して豊かに暮らしている子孫はたくさんいますが黙っている人間は多いです。
日本は焼け野原になって大変なのに、日本の支配が堅かった中国の地域に住んでた日本人は食事で困る事も無く、
中国人のお手伝いさんを雇って家事をしてもらい、車や人力車に乗って移動して外食に行くなんて人間もいました。
場所によっては米軍機を見た事ない、なんて家族もいました。
ところが日本に引き揚げて来たら、
日本は廃墟になっているのですから
絶句ものです。
そして日本国内では『欲しがりません勝つまでは。』なんて言われていて女性はモンペを着ていて男性は軍服のような国民服姿。
中国では金持ちだったので良い背広を着て、家族も良い服を着て、引き上げてきた人達はあまりの差に驚いた事でしょう。
これは作者の知っている人の体験談です。)
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