373話 御即位に感激。(1926昭和)

1926年12月、昭和と照和のどちらの即位の儀に出席するのか宇垣昌弘は悩んでいましたがやはり重要人物が大勢参加する昭和日本の方に行く事にしました。

それぞれ5隻ずつの『天の鳥船2』が空中をパレードしたりして押し寄せた他国のジャーナリストを驚かせたりしていました。


即位礼正殿の儀は、諸外国における戴冠式、即位式にあたります。


即位の礼の後に、五穀豊穣を感謝し、その継続を祈る一代一度の大嘗祭が行われ、即位の礼・大嘗祭と一連の儀式を合わせ御大礼と言われます。


驚いたのは3人の陛下達が興味深げに多くの儀式を御見学されていた事です。

そういえば、現存する姫路城や熊本城など、多くの城を御見学されたり、京都周辺のお寺巡りをされたりと、日本文化に興味がお有りの御様子ですもんねえ。

上皇陛下も立派に成長した孫の姿に感慨深い御様子でした。


ちなみに上皇陛下は明治法皇陛下になられ、大正天皇陛下がこれからは譲位されて(大正)上皇陛下になられます。



ちなみに日本の城の研究者や通訳、宮大工、プロカメラマンを引き連れて、イギリスのジョージ5世陛下、ロシア皇帝のニコライ2世陛下、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世陛下達3人は姫路城を巡るのに隅から隅まで3日もかけて御見学されていました。

宮大工さんを質問攻めにして色々と聞いています。

いや、日本の文化と建築物に興味があるといっても、城とか、寺とかを欧州に建設するつもりでもあるの?と言いたくなるくらい、色々と聞いています。


まぁ、宇垣昌弘だって安土城を作って

みたいと思った事はありますが、、、


西洋の城が好きな金持ちが城を買って住む趣味がありますが、それと同じような物かもしれませんね。


夜は城に泊まって御満悦な御様子。

よほど城がお好きなんですねえ。


そういえば、ジョージ5世陛下は

船の竜骨を逆さにして屋根の裏の骨組みにしたような作りの江戸時代の庄屋さんの屋敷を見て、こんな家が欲しいって言われてました。

宇垣邸のログハウスもお気に入りでしたしねえ。

「宮殿の裏側の私室をこんな感じに、、、」なんて言われてたので、

本気で作らせようとしてるのでしょうか。

宮殿って、まさかとは思いますがバッキンガム宮殿?


まぁ、元々船乗りですからねえ。

船を逆さにしたような作りに惹かれるのでしょう。

囲炉裏のすすで燻されているから、こういう木造建築は600年とか持つといいますからねえ。


そして、何事もなく、儀式がすべて済んで良かったです。



えっ? もう年末ですよ? 『クリスマス前に帰国するとしたら、そろそろ出発しないと、、、』


なんで大阪に行って大坂城を見学するなんて話を話しているんですか!


いや、そろそろ帰国して顔を見せないとお妃様達が怒るでしょう。


数日あれば飛行船で帰れるんだし。


いや、飛べますよ!

天気も悪くないんだし。


いや、『仏滅は縁起が悪い』って、大丈夫ですって。


イギリスに到着する日が仏滅でも大丈夫ですって。


イギリスに仏滅は関係ないでしよ、、、


イギリスのジョージ5世陛下、ロシア皇帝のニコライ2世陛下、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世陛下の書かれた日本滞在記と写真の数々は、後に発表されて大人気になります。


あっ、ゴッホさんのような有名な画家がオリエンタリズムの影響を受けてるし、陛下達の子どもの頃や若い頃って

ジャポニズムブームの流行った時代か〜


そういえば、イギリスのジョージ5世陛下とロシア皇帝のニコライ2世陛下は若い時に日本を訪れた時に龍の刺青をいれているし、、、


それで浮世絵も大人買いというか、まとめ買いしてるのか。


自分の身体にあわせて鎧甲冑もオーダーしてるし。

槍とか刀などの武具も買い込んでいるし、、、


三陛下は名残惜しそうに日本を旅立ち帰国されたのでした。


あれ?エルサレム共和国を横目に見ながらウラジオストクの上空を通過して、シベリア鉄道の線路に沿ってサンプトペテルブルクに行くにはズレてるな?


陛下達は「エベレストを見ながら酒が飲みたい」と言ってルートを変更させ、遠回りして欧州に帰国したのでした。

お妃様達に説教されるのが、そんなに嫌なのでしょうか。


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